最高の自然!サークル仲間と行く、1泊2日の上高地旅レポ

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こんにちは!なおきです。

気の置けない仲間と一緒に、自然のなかで深呼吸したくなるときって、ありませんか?

大学生活の中でふと生まれた「旅したいね」の一言から、僕たちの上高地旅行は始まりました。

今回の旅の舞台は、長野県の北アルプス山麓――雄大な自然が広がる「上高地」。

サークルの友人8人でレンタカーを借りて向かいました。

1泊2日という短い旅でしたが、美味しいごはんに心ほどける会話、そして思わず立ち止まってしまうほどの絶景。

どれもが、大学生活の中でしか味わえない“特別な時間”でした。

この記事では、そんな上高地旅行の思い出をぎゅっと詰め込んでご紹介します。

これを読んで、少しでも「大学ってこんな楽しみ方もあるんだ」と感じてもらえたら嬉しいです。

自然に癒されたい人、友だちと何か思い出をつくりたい人、そして上高地にちょっとでも興味がある人へ――この旅の空気を、あなたにも届けます。

出発!高田馬場からレンタカーで長旅へ

旅の始まりは、早稲田生の集いの場・高田馬場駅。

今回は、サークル「ヨコシマ。」のメンバー8人での1泊2日旅。大学の授業やバイト、新歓やライブの忙しさを乗り越えて、「たまには自然に癒されたいよね」という話から企画が持ち上がりました。

移動はレンタカー。大人数での移動は、やっぱり車が便利。とはいえ、高田馬場周辺は大きな車を借りられる店舗が少なく、僕が代表して徒歩で少し離れた場所まで取りに行くことに。

朝の澄んだ空気の中、コロコロ付きのバッグを引きながら歩いていると、「これから旅が始まるんだな」と実感がじわじわ湧いてきます。

無事に車を借りて駅に戻ると、みんなの笑顔が。

荷物を積み込んで、いざ出発。助手席ではさっそくSpotifyが起動し、懐かしのサークルライブで演奏したあの曲や、最近みんながハマっている邦ロックが流れ始めました。

上高地までは、まず長野県・安曇野を目指して片道4時間ほどの長旅。

渋滞を避けて朝早く出たおかげで道はスムーズ。最初は僕が運転し、その後は数人で交代しながら進みます。

車内では、普段なかなか話せないようなことも自然と話題に上がってくるから不思議です。

進路の話、最近観た映画、ちょっとした恋バナ……ドライブって、ただの移動手段じゃなくて、“話せる時間”でもあるんだなと改めて感じました。

途中のサービスエリアで休憩を挟みつつ、車は徐々に山道へ。

長野県に入ると、まるで絵画のような山々が目に飛び込んできます。

青く澄んだ空、重なり合う緑のグラデーション、そして肌に触れる空気の冷たさ――標高が上がるごとに、世界が静かに変わっていくのが分かります。

「うわ、すげえ…」
「ここで写真撮ったら映えそうじゃない?」

助手席や後部座席から漏れる感嘆の声に、思わず笑顔になる僕。
自然の迫力に圧倒されつつも、「この景色をみんなで見られてよかったな」と、旅の初日からしみじみ思っていました。

旅はまだ始まったばかり。けれど、すでにたくさんの思い出が車内に積み上がっているような、そんな幸先のいいスタートでした。

古民家風そば屋で信州の味を堪能

長時間のドライブを終え、ようやくたどり着いた安曇野。

時刻はちょうどお昼時。標高が高く空気が澄んでいて、車を降りた瞬間、思わず深呼吸したくなるような爽やかさがありました。

旅の疲れというより、「ここからが本番だ」と気持ちが切り替わる、そんな一瞬。

向かったのは、安曇野市内でも評判の高い、古民家風のおそば屋さん。

木造の建物に入ると、ふんわりと香ばしいだしの香り。

磨き込まれた床と障子から差し込む柔らかな日差しが、どこか懐かしさを感じさせてくれます。

席についた瞬間、「あ、これは当たりだ」と全員が確信しました。

メニューを開けば、定番のざるそばから、天ぷら付き、山菜入りなどバリエーション豊富。

僕は迷わず一番大盛りを注文。腹ペコだったこともあるけれど、「信州そばを思いきり味わいたい」という気持ちが強かったんです。

待っている間も、わいわい会話が弾みます。

「昨日のゼミ、先生の話飛びすぎて意味わからんかったよな」
「てかさ、このあとさ、ギター持ってきたんだけど……」

そんなやりとりをしていると、そばが登場。

大きなざるに盛られた細めのそばは、見るからにツヤツヤで、ほんのりとした香りが立ちのぼります。薬味のネギとわさびをつゆに溶かして、ひとくち。

……うまい。

キリッと冷えたつゆに、のどごしの良いそばが絡み、思わず箸が止まらなくなります。

そば自体にしっかりと風味があり、ひと口ごとに「これが本場か…」と感動。大盛りを頼んだ自分を、心から褒めたくなりました。

他のメンバーも「うわ、やっぱりそばうまいな」「これは東京じゃ食えん」と口々に絶賛。

中にはそば湯を何度もおかわりする人までいて、すっかりそばの虜に。

店を出たあと、誰からともなく「次の旅行でもまたそば食べたいね」と話が出たほど、この食事は全員にとって印象深いものとなりました。

やっぱり、旅の楽しみのひとつは“その土地ならではの味”を、仲間と一緒に楽しめることなのかもしれません。

こうして僕たちは、お腹も心も満たされて、次なる目的地――宿泊先のエアビーに向かいました。

エアビーの一軒家でまったり音楽時間

そばで満たされたお腹をさすりながら、僕たちは本日の宿泊先へ。

今回予約していたのは、安曇野の自然に囲まれた一軒家タイプのAirbnb。

山並みを背に、ぽつんと建つ平屋づくりの家で、木々のざわめきや鳥のさえずりが心地よく響くロケーションでした。

玄関を開けると、広々としたリビングに木のぬくもりあふれる内装。

大きな窓からは自然光がふわっと差し込み、初めて来たはずなのにどこか「ただいま」と言いたくなるような、落ち着いた雰囲気が漂っていました。

荷物をそれぞれの部屋に置き、布団にゴロンと転がるメンバーたち。

「疲れた~」「運転ありがとう~」と声をかけ合いながら、ちょっと一息。長時間の移動で足は少し重かったけど、この家の空気と静けさに、すぐに心も身体もほどけていくのが分かりました。

そんな中、後輩のひとりが「ちょっとだけいいですか」と言いながら、持参してきたギターを取り出します。

普段サークルで一緒に演奏しているだけあって、みんなの反応は早い。「お、きたきた」「じゃあ俺も歌うわ」と自然に輪ができていきます。

ぽろん、という音から始まり、次第にコードが重なっていくと、宿全体が柔らかい音楽に包まれていくような感覚。

演奏されたのは、サークルライブでよくやっていた定番のバラードや、最近のヒット曲のカバー。

誰かが歌い出すと、それに合わせてハモったり、手拍子が入ったり――音楽って、言葉がなくてもつながれるって、本当にそうだなと思いました。

「なんか、合宿っぽいな」
「外で聴こえる虫の声と混ざってて、エモいよね」

普段はせかせかと過ごしている日常からふっと離れて、こうやって自然と音楽と友人に囲まれる時間は、言葉にできないほど贅沢でした。

あまりにも居心地がよくて、しばらくそのままみんなでゴロゴロしながら音楽を聴いていたのですが、「そろそろ夕飯の買い出し行くか」という誰かの声で、ゆっくりと腰を上げました。

夜はBBQ&カレーの二刀流!

音楽でまったり癒されたあとは、夕飯の準備に向けて再び行動開始。

「今夜はBBQとカレー、両方やっちゃおう!」という話になっていたので、近くのスーパーまで車を出して買い出しに向かいます。

買い物リストはかなりのボリューム。焼肉用の牛・豚・鶏はもちろん、野菜、ウインナー、焼きそばセット、さらにはカレー用の玉ねぎ・じゃがいも・にんじん・ルーなどなど……。

あとは飲み物にお菓子、朝食の卵やパンまで。スーパーのカートを2台使って、まるで主婦のような顔つきで買い物をこなす僕たち。中には「このお菓子懐かしい~」とテンションが上がり、カゴに追加する人も。

宿に戻るころには、すっかり日も傾いていました。

さっそく夕飯の準備スタート。自然と「BBQ班」と「カレー班」に分かれ、作業が進んでいきます。

僕はカレー班のリーダー(自称)。包丁を手に取り、玉ねぎをじっくり炒めるところから始めます。

「ちょっと焦がすとコク出るから」と言いながら、鍋の前で木べらを動かす僕。実は、家でもたまに作っていたのでこのへんは慣れたもの。玉ねぎの甘みと香ばしさが立ちのぼってくると、みんなが「お、いい匂い!」と寄ってきます。

一方その頃、BBQ班は外で炭の準備。火起こしがうまくいかず、うちわで必死に扇いでいる姿に「頑張って~!」とエールが飛ぶ。無事に火がつくと、網の上にジュウジュウと肉が並びはじめ、いよいよ宴の準備が整います。

そして――いざ、いただきます!

紙皿に盛られた熱々のカレー、そしてジューシーに焼けた肉たち。片手には炭酸やチューハイ。バーベキューコンロを囲んで、思い思いに箸を伸ばしながら語らう時間が始まります。

「これ、焦がし玉ねぎの力?」
「いやマジで、旅先で食べると何でもうまい説ある」
「このカレー、店出せるよ」なんて言ってもらえて、内心かなりうれしかったです(笑)。

空は徐々に星を灯しはじめ、火のゆらめきと共に夜が深まっていきます。

賑やかだけどどこか穏やかで、あたたかくて、ゆるやか。
そんな時間が、まるでキャンプファイヤーの炎のように心に灯っていきました。

お腹が満たされても、僕たちの夜はまだ終わりません――次は、屋内に戻って晩酌タイムです。

晩酌タイムと、コンビニまでの深夜の恋バナ散歩

BBQとカレーで心もお腹も満たされた僕たちは、片付けを済ませてから再び室内へ。

外はもうすっかり暗くなっていて、窓の向こうにはぽつぽつと星が瞬いていました。

リビングに戻ると、みんな自然と座布団を持って円になり、晩酌タイムへ突入。

テーブルには、先ほどスーパーで買ったチューハイやジュース、スナック菓子、チョコレートがずらり。照明を少し落として、BGMにはアコースティックギターで流したLANYや藤井風の曲。

食後のくつろいだ雰囲気の中で、「いや〜、今日めっちゃ良い日だったね」という誰かの一言に、全員が静かにうなずく。

そして自然と始まる、恋バナ。

「てかさ、○○って、サークルのあの子のことどう思ってるの?」
「やっぱ気づいてた?」
「いや~、ライブのときの視線、絶対なんかあったって(笑)」

火がついたように盛り上がる会話。普段の飲み会ではなかなか話さないような本音が、旅の夜にはぽろぽろとこぼれ落ちるから不思議です。

ふと気づくと、輪の外でひとり静かにしている後輩がいました。普段は明るく話すタイプだったので、ちょっと気になって声をかけます。

「ちょっと、コンビニ行かない?」

軽いノリで誘ってみると、「…行きます」と頷いたその表情には、少し迷いが見えました。

コンビニまでは徒歩10分ほど。真っ暗な道をスマホのライトを頼りに歩きながら、ぽつぽつと話し始める後輩。

どうやら、サークルの中で気になっている相手がいるけれど、距離の詰め方が分からないらしい。

しかもその相手とは、今回の旅行にも来ている子だというから、話はより繊細でした。

「なんか、サークルって距離が近すぎて逆に怖くなる時ありますよね…」
「うん、わかる。下手に動いて気まずくなるのもイヤだしな」

僕も恋愛が得意なわけじゃないけれど、自分の過去の話を交えつつ、「言わなきゃ伝わらないこともあるし、でも伝え方ってほんと大事だよな」なんて言葉を絞り出しました。

彼が時折、ふっと笑うようになったのを見て、「少しは力になれたかな」と思えたのが、何より嬉しかったです。

コンビニで買ったのは、アイスとホットコーヒー。帰り道、寒い夜風にふたりで肩をすぼめながら、「なんか修学旅行の夜みたいですね」と彼が笑ったとき、なんだか少しだけ大人になれたような気がしました。

宿に戻ると、まだ起きていたメンバーたちが「あれ?何話してたの?」と茶化してきたけれど、ふたりとも何も言わずに笑うだけ。

旅の夜には、言葉じゃなくて伝わるものがある。そんな空気がそこにはありました。

朝ごはんは愛情たっぷりベーコンエッグ

翌朝――。

ほんのり明るくなった窓の外から鳥のさえずりが聞こえ、旅の2日目が始まりました。

昨夜の語らいと星空の余韻がまだ身体に残るなか、誰からともなく布団を抜け出してキッチンに立つ音が聞こえ始めます。

「おはようございます。ちょっと朝ごはん、作りますね」

そう言って台所に立ってくれていたのは、昨日ギターを弾いてくれていた後輩のひとり。

エプロン姿でベーコンをじゅうじゅうと焼いているその姿に、全員が思わず「え、いいやつすぎる…」と感嘆のまなざしを送っていました。

コンロの上では、ベーコンと目玉焼きが並んで焼かれ、香ばしい匂いがリビング全体を満たしていきます。

キッチンから聞こえる油のはぜる音に、眠っていた胃袋が目を覚ましていく感じがして、これ以上ない目覚めのごちそうでした。

「パン焼いておきました〜」
「飲み物どうする?コーヒー淹れようか?」

それぞれが自然に動き出して、ちょっとしたブレックファーストチームが出来上がる。

そんな何気ない共同作業の時間が、この旅の中でも特に心に残った瞬間のひとつです。

朝食のメニューは、ベーコンエッグを白ごはんに乗せた“旅めしスタイル”。

「朝から重いかな」と思いつつも、ひと口食べると箸が止まりません。

脂がじゅわっと染みたベーコンと、とろりとした黄身のバランスが絶妙で、「これ、ホテルの朝食よりうまいな」「毎朝これでもいい」なんて声があがるほど。

何より、“自分たちで作って、自分たちで囲む”というだけで、食事の温度がぐっと上がるんですよね。

「昨日のカレーも最高だったけど、これも優勝だな」
「次の合宿、料理部門つくる?」なんて冗談も飛び交いながら、穏やかでにぎやかな朝が流れていきました。

まだ眠たげな顔でご飯をかきこむメンバーの姿も、どこかほっこりとした空気に包まれていて、旅の疲れも癒されていくようでした。

朝ごはんを食べ終えたら、いよいよ本命――上高地へと向かいます。
静かに、でも確かにワクワクが高まってきました。

いよいよ上高地へ!タクシーでのんびり移動

お腹も心も満たされた朝ごはんを終え、荷物をまとめていよいよ上高地へ。

今回の旅のメインディッシュとも言えるこの場所に、僕たちのテンションは一気に高まっていきます。

ただし、上高地にはマイカー規制があり、自家用車で直接入ることはできません。

そのため、僕たちは「さわんど駐車場」と呼ばれる中継地点に車を停め、そこからバスまたはタクシーで上高地の入り口まで向かう必要がありました。

バスも便利ではあるけれど、僕たちは「せっかくならタクシーで行こう!」とちょっと贅沢な選択。8人いたので2台に分乗し、2人ずつゆったり座れる後部座席で窓の景色を楽しみながら移動することにしました。

タクシーに乗り込むと、運転手さんがとてもフレンドリーな方で、道中ずっとガイドのように話をしてくれました。

「今見えてるのが、穂高岳っていう山でね…」
「春先は雪解け水で川の水量も多くなって、迫力あるよ」

移動中の車窓からは、深い緑と険しい山肌、そしてその隙間を縫うように流れる清流が見えて、まるでジブリ映画のワンシーンのような世界。

車内では自然と「うわー…すご」「マジで日本?」という感嘆の声が漏れ、みんなが窓にくぎ付けになっていました。

さらに、運転手さんの粋な計らいで、上高地の入り口手前にある有名なビュースポットで一時停車してくれることに。

「せっかくだし、ここで記念写真どう?」と言われ、僕たちはタクシーを降りて、標高の高い場所から広がる絶景をバックに全員で記念撮影。

風は少し冷たかったけれど、それもまた心地よく、カメラに収まった笑顔はきっと、この旅を象徴する1枚になりました。

写真を撮り終え、再びタクシーに乗り込んで数分後――ついに、上高地の入り口に到着。

澄みきった空気と静けさ、そして目の前に広がる大自然。
ここから先は、完全に“徒歩”での冒険です。

「行くか」
「うん、楽しもう」

そんな言葉を交わしながら、僕たちは上高地の山道へと、ゆっくり足を踏み入れていきました。

圧倒的な大自然に、ただただ感動

上高地の入り口でタクシーを降りた瞬間、僕たちは言葉を失いました。

目の前に広がっていたのは、写真や映像で何度も見たはずの風景――けれど、そのどれともまったく違う、“生の”自然でした。

見上げれば、雄大な穂高連峰がどこまでもそびえ立ち、足元には澄みきった梓川がゆったりと流れている。

川の水はまるでガラスのように透明で、底にある石までくっきりと見えるほど。空はどこまでも高く、青が深く、雲がゆっくりと流れていきます。

「……やばいな」
「ほんとに、ここ日本なの?」

そんな声がぽつりぽつりと聞こえてきましたが、誰も大きな声は出さず、自然と足が止まり、息を呑むようにその景色を見つめていました。

五感が一気に解放されていくような、不思議な感覚。騒がしい日常ではまず感じることのない“静寂の力”に包まれているようでした。

ここからは完全に徒歩移動。

河童橋を起点に、明神池方面へと歩みを進めるルートを選びました。整備された木道を歩くたびに、靴の下からしっとりとした湿気や、土の柔らかさが伝わってきます。

森の中を吹き抜ける風はやさしく、葉の隙間からこぼれる木漏れ日は揺れていて、それだけで心が癒やされていくのを感じました。

途中、何度も立ち止まっては写真を撮るのですが、どこを切り取っても“絵”になる。

川沿いのベンチでしばし休憩しながら、「なんか、うまく言えないけど、こういう時間って、いるよな」とつぶやいたメンバーに、誰もが静かにうなずいていました。

自然がすごい、とか、綺麗、とか、そんな言葉じゃ追いつかない。
ただそこにあるものに、心を預けたくなるような、圧倒的な存在感。

一歩一歩進むごとに、僕たちの中にあったモヤモヤや疲れ、焦りといったものが、少しずつほどけていくような気がしました。

大学生活では、考えることややるべきことが多くて、つい視野が狭くなってしまうけれど、自然の中にいると「ああ、もっと広くていいんだ」と肩の力が抜けていく。

途中、小さな流れに手を入れて冷たさに驚いたり、倒木に座って談笑したりと、特別なことはしていないのに、どれもが心に残る体験でした。

そして明神池にたどり着いたとき、そこはまさに“神域”のような静けさ。

水面に映る山と空、そして鳥の鳴き声だけが響く空間に、僕たちは立ち尽くし、「ここに来られてよかったな」と全員が心の中で思ったに違いありません。

帰り道、あえてあまりしゃべらずに歩いたのも、この空気を持ち帰るためだったのかもしれません。

おわりに:日常からちょっと離れた、心が整う旅

帰りの車内は、行きのときとは少し違う空気が流れていました。

あれほど賑やかだった車内は、どこか落ち着いた静けさに包まれていて、みんな思い思いに風景を眺めたり、スマホの写真を整理したり、眠ったりしていました。

けれど、その沈黙は決して退屈なものではなく、満ち足りた“余韻”のようなものでした。

自然の中で深呼吸して、美味しいごはんを食べて、大切な人たちとたくさん笑って語り合った。

特別な予定や豪華な観光を組み込まなくても、こうして時間を共有するだけで、人生の中にちゃんと刻まれる思い出が生まれることを、改めて実感しました。

大学生活には、勉強やサークル、バイト、就活など、いろんな忙しさやプレッシャーがあります。

でもその合間に、ほんの少し日常から離れてみること。自然の中に身を置いて、心のままに過ごすこと。

それだけで、自分の中のバランスが不思議と整っていく――そんな旅だったと思います。

帰宅してからも、しばらくは写真を見返してはニヤニヤしてしまいました。そばの香り、ベーコンの音、ギターの響き、星空の下の会話……。

どれもが鮮やかに蘇ってきて、またすぐにでも行きたくなってしまうほど。

「次は紅葉の時期に来たいね」
そんな話をしながら、僕たちの“上高地エモ旅”は幕を閉じました。

またひとつ、大学生活の宝物が増えた気がしています。

なおき

なおき

早稲田大学 政治経済学部 政治学科

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