こんにちは!早稲田大学4年のなおきです。
1年前、寒さが本格的に深まり街を歩く人の吐く息も白くなる2月のある日。
大学の同期2人と、お世話になっている先輩5人とともに、僕たちは軽井沢へと旅立ちました。
行き先は、グランピング施設「Sweet Grass(スウィートグラス)」。自然と調和した空間で、焚き火や暖炉、手作りの料理を囲みながら、心ゆくまで語り合える場所。
普段はそれぞれ忙しくしている僕たち。特に先輩方は就職活動が本格化する直前ということもあり、「今のうちに一緒に楽しもう!」という空気の中で実現したこの旅行は、ちょっとした”区切り”のような意味合いも持っていました。
忙しい日常から少しだけ抜け出し、自然に囲まれた場所でゆったりと時間を過ごす──そんな非日常の時間が、何よりもかけがえのないものになったように思います。
今回はそんな冬の軽井沢での2日間を、できるだけリアルに、そして美味しそうにお届けできたらと思います。
これから大学生活を迎える高校生の皆さんにも、「こういう旅もできるんだ」「大学生のグループ旅行っていいな」と思ってもらえるはず。グルメあり、絶景あり、そして薪ストーブのぬくもりありの、忘れられない体験記をぜひ最後までお楽しみください。

目次
冬の軽井沢へ!グランピング旅の始まり
2月某日、まだまだ冬の空気が肌を刺すように冷たい朝。
僕たちは高田馬場駅に集合し、今回の旅の第一歩を踏み出しました。
メンバーは同期2人に加え、先輩が5人。普段から仲の良い顔ぶれで、集まった瞬間から和気あいあいとした空気が漂っていました。
レンタカーは、7人全員がしっかり座れる大きめのワンボックスカー。自分たちで荷物を積み込むと、いよいよ出発です。
車内ではすでに、にぎやかなトークがスタート。
最近見た映画の話、授業の小ネタ、そして当然ながら恋バナまで飛び出して、車内は笑いに包まれます。助手席ではプレイリスト担当がBGMを流し、少しずつ都会の景色が郊外ののどかな風景に変わっていくのを眺めながら、僕たちは高速道路を北へと進んでいきました。
道中のサービスエリアで軽く休憩を挟みつつ、「雪、積もってるかな?」「薪ストーブってどうやって使うんだろう」とワクワクしながら会話が止まりません。
特に先輩方は、まもなく就職活動が本格化する時期ということもあって、「みんなでこうして遊べるのも、もしかしたら今が最後かもね」と少ししんみりした声も。
でも、そんなことを言いながらも顔はとても楽しそうで、今回の旅にどれだけ期待してくれているのかが伝わってきました。
約2時間半ほどのドライブの末、ついに軽井沢の街に到着。
標高が高いためか、空気がぴんと張りつめていて、吐く息が真っ白に広がります。道路の脇には雪がまだしっかりと残っていて、見慣れた東京の冬とはまったく違う景色に一同テンションアップ。
「寒っ!でもめっちゃ綺麗!」なんて声が飛び交い、まずは腹ごしらえにと町中のお蕎麦屋さんへ入ることにしました。
まだ始まったばかりの旅だけど、この時点で「来てよかったな」と思えるような、そんな立ち上がりでした。
軽井沢到着!まずは腹ごしらえ
車を降りた瞬間、肌に刺さるような冷たい空気に「あっ、冬の軽井沢だ」と実感。
空は澄み渡っていて、街並みには雪がちらほらと残っており、まるでスノードームの中に足を踏み入れたような感覚になりました。
観光客もそこまで多くなく、どこか静けさと落ち着きのある空気が流れています。
運転してくれていた先輩が「お腹すいたな」とつぶやいたのをきっかけに、ランチを取ることに。
事前に決めていたわけではなかったのですが、ふらっと立ち寄った地元のお蕎麦屋さんが当たりでした。
古民家風の建物で、店内には薪ストーブのような暖房器具もあり、冷えた体がじんわりと温まっていきます。
メニューはシンプルで、せいろ、かけそば、天ぷらなどが並ぶなか、僕は温かい山菜そばを注文。澄んだつゆとコシのある蕎麦が体の芯まで染み渡るようで、思わず「うまっ…」と声が漏れました。
特に印象的だったのが、先輩が頼んだ「みそ田楽」。
見た目は素朴だけど、濃厚な味噌ダレがこんにゃくにしっかり絡んでいて、これがとんでもなく美味しい。
ひと口もらった僕はそのまま「これ、もう一皿頼みましょう」と即決。お蕎麦だけでは得られない、冬のごちそう感がそこにありました。
会話を楽しみながら、温かい料理で心も体もぽかぽかに。昼食を終えるころには、すっかり旅気分も高まり、「このあとスーパー行って食材仕入れて、本気で料理しよう!」という流れに。
お会計を済ませて店を出ると、外の冷たい空気がまた一段と新鮮に感じられました。ここからは“旅人”から“料理人”へと役割チェンジ。
次なる目的地は、グランピングに欠かせない「スーパー」です。
豪華食材ゲット!スーパーでの買い出し奮闘記
お腹を満たした僕たちは、次なるミッションへと向かいます。そう、それは「晩ごはんの食材を仕入れること」。
今回は宿泊先にキッチンや暖炉グリルがあるということで、自炊を思いっきり楽しもうという流れに。
中でも、イタリアンに腕を振るえるという同期がいたため、テーマは“本気のイタリアンナイト”に決定!
軽井沢町内の大型スーパーに立ち寄り、買い出しがスタート。パスタは何にする?ソースはトマト系?クリーム系?などと盛り上がりながら、チーズや生クリーム、ニンニク、トマト缶、野菜にサラダ用のレタス&トマトも大量にカゴへ。
手際よく食材が揃っていくなか、「せっかくグリルがあるなら、肉も焼こうよ」という声があがり、精肉コーナーへ。
しかし、ここでちょっとした問題が発生。「ローストビーフ用の塊肉」がなかなか見つからない。
並んでいるのはスライス済みの肉や薄切りばかりで、「これじゃ火を通しすぎちゃうなあ」と困っていると、店員さんが「塊肉なら、今ちょうど在庫がありますよ」と声をかけてくださいました。
その場でカット&パックしてもらったのが、これ──

見てください、この迫力。美しいサシが入った上州牛のモモロースト用ブロック。
その場にいた全員が「うわ、これは絶対うまいやつだ……」とテンション爆上がり。
580gで5,000円オーバーという、学生にはちょっとした贅沢価格ではありましたが、「旅だし、いい肉をシェアしてみんなで楽しもう!」と即決。結局、ローストビーフ用に半分、ビーフシチュー用に半分使おうということになり、調理の夢が一気に広がります。
レジで大量の食材とお酒を買い込み、両手いっぱいの袋を持って車へ戻ると、外はもう夕方に差しかかる時間帯。
少しずつ日が傾いていく軽井沢の空を眺めながら、僕たちはいよいよ「Sweet Grass」へと向かいました。
「この肉を料理できるの、超楽しみだね」
「失敗したらどうする?笑」
「薪ストーブで焼いたら絶対うまいって!」
そんな会話を交わしながら、グランピングの本番がいよいよ始まろうとしていました。
到着!「Sweet Grass」の暖炉グリルコテージ
車を走らせること十数分。
ついに今回の宿、「Sweet Grass(スウィートグラス)」に到着しました。
森の中にひっそりと佇むその施設は、冬の静けさと雪の白さに包まれていて、まるで映画のワンシーンに飛び込んだような感覚。
受付を済ませ、車で敷地内を進んでいくと──ありました、僕たちの宿「暖炉グリルコテージ グルマン」。
まず目を引くのは、その外観。
鎧張りのカラマツ材が用いられた壁と、赤茶色の煉瓦が組み合わさったデザインは、可愛さと重厚感が絶妙に同居しています。
雪をかぶった屋根の下には、木製のポーチがどっしりと構え、そのたたずまいに一同「やばい、ここ泊まるの!?」とテンション爆発。思わず写真を撮りまくってしまいました。
室内に足を踏み入れると、さらに驚きの連続。
天井には、八ッ場ダム建設の際に伐採されたという巨大なケヤキの梁がドーンと走り、まるで山小屋のロッジのような力強さとあたたかさを感じさせます。
床はクルミ材のフローリングで、木のぬくもりがしっかり足裏から伝わってくる。
何より驚いたのが、キッチンの真横に据えられた“薪ストーブ”。これが本当にかっこいい。

鉄製のどっしりとしたボディに、薪がパチパチと音を立てながら燃えている。
火の揺らめきがガラス窓越しに見えるその様子は、ただ見ているだけでも心がじんわり温かくなるようで、メンバー全員がしばし無言で見入ってしまうほど。
キッチンにはIHも完備されていて、調理器具やカトラリーもフル装備。カウンターには一枚板の天然木が贅沢に使われていて、料理をしながら話せるオープンな造りがとても魅力的でした。
まさに「料理を楽しむためのコテージ」と言っても過言ではありません。
「うわ〜、もうここに住みたい」
「これ、マジで人生最高の宿かも」
そんな言葉が飛び交う中、ようやく落ち着いたところで、いよいよ“晩ごはんの時間”に向けて準備が始まります。
キッチン、グリル、上州牛──すべての条件がそろった今夜、どんな料理が生まれるのか。

今夜はイタリアン×肉祭り!手作りディナーが豪華すぎた
宿に着いて一息ついたら、いよいよ晩ごはんの準備開始。
人数が多いぶん役割分担もスムーズで、誰かがキッチンでソースを煮込み、誰かがグリルの火を見張り、誰かがサラダを仕上げて……と、ちょっとしたレストランの厨房のようなにぎわいを見せていました。
そして、今回の料理陣の主役はやはり“イタリアン”。
ミートソースパスタ班と、なにやら名前からして気になる“貧乏人のパスタ”班に分かれて作業開始。
ミートソースは王道のひき肉×トマト缶×赤ワインの組み合わせ。炒めると部屋中に香ばしい匂いが広がって、全員「早く食べたい……」の大合唱。

完成したミートソースパスタは、チーズをトッピングしてまるでカフェ飯のような見た目。
口に運ぶと、トマトの酸味と肉のコクが絶妙に絡み合って、もうレストラン超えたかも?と思えるほどの出来栄えでした。
もう一方の「貧乏人のパスタ」は、名前のインパクトに反してかなりお洒落。

フライパンで焼いた目玉焼きをどん、と乗せて、ガーリックとチーズを絡めたパスタと合わせたもの。
シンプルながらしっかりとした味わいで、「目玉焼き、めちゃ合うねこれ」と感動の声があがっていました。
さて、忘れてはいけないのが僕の担当である“上州牛”。
さきほどスーパーで手に入れたブロック肉を、まずは半分使ってローストビーフに挑戦。
常温に戻してから塩コショウで下味をつけ、フライパンで表面をこんがり焼いたあと、薪ストーブの近くでじっくり休ませて余熱で火を入れます。
もう半分は、ワインと一緒にじっくり煮込んで“ビーフシチュー”に。玉ねぎ、にんじん、デミグラスソースとともにコトコト煮込みながら、こっちも香りだけでご飯いけそうな勢いです。


「やばい、これは本気で店出せるレベル」
「肉柔らかすぎる、どうやって作ったの!?」
そんな称賛の嵐の中、食卓には料理がずらりと並びました。
薪ストーブの炎がゆらめく暖かな空間の中で、ワイン片手に絶品イタリアンと肉料理を囲むという、贅沢すぎる時間。どの料理も手作りとは思えない完成度で、誰かが「この旅、もう今日だけで満点だよ」とつぶやいたのが印象的でした。
お腹が満たされたあとは、先輩が持ってきてくれたスパークリングワインを開けて、再び談笑タイムへ。
話題は卒業後の進路のこと、大学生活の思い出、そしてもちろん「またみんなで旅行したいね」という未来のこと。
料理と会話、あたたかさに包まれた夜は、こうしてゆっくりと更けていきました。
食後はお酒と暖炉でまったりタイム
お腹いっぱいになった後は、食卓を片づけて、薪ストーブの前に全員集合。
ほんのり残る料理の香りと、赤く揺れる火の光。
グラスに注がれたスパークリングワインのきらめきが、どこか非日常を思わせる、贅沢な夜の始まりでした。
先輩が「就活始まったら、こういう時間なかなか取れないよね」とぽつりと言うと、全員がうなずきました。
実際、この旅を企画したのも「今しかないかも」という思いがあったからこそ。これまで何気なく過ごしてきた日々が、徐々に「最後の〜」という言葉に置き換わっていく中で、この旅はちょっとした区切りのような、でも決して寂しくはない、温かさに満ちた時間になっていたのです。
誰かがギターを取り出して静かに弾き始めると、それに合わせて自然と鼻歌を口ずさむ人も。
サークルで培った音楽のある空気感が、こういう場面でも心地よく馴染んでいました。
薪ストーブの火がゆっくりと薪を飲み込み、パチパチと弾ける音が部屋に響く。
照明を少し落として、みんなで輪になって他愛のない話をしているだけなのに、それがなぜか、とても特別な時間に感じられました。
恋バナ、就活の不安、最近ハマっているYouTubeの話。
どの話題も全員で笑い合いながら、時にはまじめに耳を傾けて、静かに夜が更けていく。暖炉のあたたかさは、ただ体を温めるだけでなく、人と人の距離も近づけてくれるような気がしました。
誰かが「またこういう旅、しような」と言ったとき、「絶対にしよう」と誰かが即答して、その返事の速さが嬉しくて、心の中でふっと微笑んだのを覚えています。
翌朝はスモアとベーコンエッグで朝ごはん
目を覚ますと、室内にはほんのりと薪の香りが残っていました。
窓の外はまだ薄曇りで、冷たい空気がガラス越しに伝わってくる。暖房をつけなくても、薪ストーブの残り火が空間をじんわりと温めていて、布団から出るのが少しだけ楽になる、そんな優しい朝でした。
起きてみると、なんと先輩がすでに起きていて、コーヒーを淹れてくれていました。
「早く起きたらやることないから、コーヒーでもって思って」
そんな何気ない言葉が、旅の朝をぐっと心地よくしてくれる。
カップを受け取って、ほんの少し苦い香りを味わいながら、「こういうの、たまらないなぁ」としみじみ思いました。
朝ごはんの準備は、前夜に余った食材を活用しつつ、ちょっと遊び心をプラス。
まずは、薪ストーブでマシュマロを焼き、それをクッキーに挟んで“スモア”を作ります。こんがり焼けたマシュマロがとろりと溶け、チョコとクッキーが合わさった瞬間、言葉にできない美味しさが口いっぱいに広がりました。

火を囲んで笑いながらスモアを頬張る時間は、大人になっても童心に帰れる、そんなひととき。
「子どもの頃、こんなのお菓子作りでやったよね」なんて話しながら、全員でぬくもりのある甘さをシェアしました。
そしてメインの朝食は、これまた王道の“ベーコンエッグ”。
パチパチとフライパンで音を立てるベーコン、そこにとろりと半熟の目玉焼き。焼き上がる香りに誘われて、ひとり、またひとりとキッチンに集まってきて、まるで実家の朝のような空気感に包まれます。

焼きたてのベーコンエッグは、パンにはさんで“朝サンド”に。
具だくさんにして、ラップで包んで車の中で食べる用に仕上げていきます。全員分をそろえ終えたころには、すっかり身支度も整っていて、出発の準備は完了。
こうして、グリルでの贅沢な夕食とはまた違う、あたたかくて、どこか素朴な朝のごちそうを堪能した僕たちは、次なる目的地──「鬼押出し園」へと向かうのでした。
鬼押出し園で雪景色に感動
朝食と片付けを終えた僕たちは、コテージに別れを告げて車に乗り込みました。名残惜しさを感じつつも、次に向かうのは軽井沢の名所のひとつ、「鬼押出し園(おにおしだしえん)」。
浅間山の噴火によって流れ出した溶岩が冷えて固まり、まるで鬼が岩を押し出したかのような独特の地形が広がるこの場所は、冬になると一面の雪に覆われて、さらに幻想的な表情を見せてくれます。
駐車場に着いて車を降りると、ひんやりとした空気が肌を突き刺すよう。
だけど、目の前に広がる景色に、寒さを忘れるほどの感動を覚えました。

黒くごつごつとした溶岩の塊の上に、真っ白な雪がふんわりと積もっているコントラスト。
まるで水墨画のように静かで雄大なその景観に、一同しばらく言葉を失います。観光客もほとんどいなかったため、まるで貸し切り状態。風の音と、雪の上を踏みしめる足音だけが響く、凛とした世界がそこには広がっていました。
「ここ、ジブリの世界みたいじゃない?」
「なんか、時間止まってる感じする……」
それぞれが思い思いに写真を撮ったり、雪の上を歩いてみたり。誰かが小さな雪だるまを作りはじめると、いつの間にかみんなで童心に帰って遊んでいました。
気がつけば、手袋の中は雪で濡れて、顔も真っ赤になっていたけれど、それすらも楽しくて。
園内には、溶岩の隙間から顔をのぞかせる松や苔などもあり、自然の力強さと美しさを改めて感じることができました。
特に、雪化粧をまとった浅間山の姿は圧巻で、「ああ、冬の軽井沢に来て本当によかったな」と心から思えた瞬間でした。
ランチで締めのイタリアンと、軽井沢ショッピング
鬼押出し園の絶景と雪遊びを楽しんだ僕たちは、少し冷えた体を温めるべく、軽井沢の中心街へと戻ってきました。
旅の最後のごはんは、何にしようかと話し合いながら、たまたま見つけたおしゃれなレストランにふらりと入ってみることに。
店内は木の温もりを感じるインテリアで統一されていて、ガラス越しには雪の残る街路樹が見える。外の冷たさとは裏腹に、やわらかな照明が差し込む空間にホッと一息つく時間でした。
メニューにはピザやパスタ、リゾットなどイタリアンの王道がずらりと並びます。
「あれ?昨日の夜もイタリアンじゃなかったっけ?」と誰かが笑いながら突っ込むと、「いやでも、イタリアンって何回食べても飽きないよな」と全員納得。結局、僕はジェノベーゼを注文することにしました。

これがまた、旅の締めにぴったりな美味しさ。
バジルの香りがふわっと広がり、濃厚ながらもくどくないソースがパスタに絡んで、食べ進めるたびに「もう一口…」と止まらなくなる。ちょこんと乗った粉チーズとオリーブオイルの艶が、ちょっとした高級感を演出していて、「うん、完璧なラストだ」と心の中でつぶやきました。
みんなでそれぞれの料理をシェアしながら、旅のハイライトを語り合う時間。
「薪ストーブの火、ずっと見てられたよね」
「上州牛、マジで神だった」
「また来年、社会人になる前に行きたいね」
食後は商店街を少し散策して、お土産屋さんをひやかしたり、クッキーやチョコレートを買ったり。
小さな雑貨屋さんで可愛いマグカップを見つけた同期は、「これ、今日の朝みたいなコーヒータイムを思い出しそう」と言いながら購入していました。
そんなふうにして、ゆっくりと旅の余韻を楽しみながら、僕たちは車へと戻り、軽井沢を後にします。
帰り道は少し静かで、でもその静けさは、どこか満たされた安心感に包まれていました。
おわりに:ごちそうと笑顔が詰まった冬の軽井沢
こうして僕たちの、冬の軽井沢グランピング旅は幕を閉じました。
振り返ってみると、そこには料理の香りと薪ストーブのぬくもり、そして何より仲間との笑い声が、濃密に詰まっていた気がします。
ただの旅行ではなく、“みんなで手を動かしながら一緒に作る時間”があったこと。
本気で肉を選び、本気でソースを煮込み、寒さの中であたたかい食卓を囲む。そういった体験が、何よりも思い出深く、そして贅沢なものだったと心から感じました。
大学生になると、行動の幅は一気に広がります。
旅行ひとつとっても、「どこに行く?」「誰と行く?」「何をする?」を自分たちで決めることができる。
もちろんそれは、準備やお金、段取りなど、少し大変なこともあるけれど、そのぶん得られる“リアルな楽しさ”は、想像を超えてくるものです。
今回の旅は、先輩の就活直前という節目であり、もしかするとこのメンバーでの最後の旅行になるかもしれないという思いもありました。でもだからこそ、それぞれが一瞬一瞬を大切にしようとしていたし、その気持ちが料理にも会話にも表れていたように思います。
高校生の皆さんに伝えたいのは、大学生活にはこういう「自由だけど心に残る時間」がたくさんあるということ。
旅行やグルメに限らず、仲間と過ごす時間、何かを一緒に創り上げる時間、季節の変わり目を共有する時間──そういったものが、自分の学生生活を豊かにしてくれるはずです。
