こんにちは!早稲田大学商学部4年のともみです。今回は、就職活動において非常に重要な「就活の軸」についてお話ししていこうと思います。
「就活の軸」とは、自分が企業を選ぶうえで大切にしたい価値観や思いのことです。エントリーシート(ES)や面接で必ずといっていいほど問われるテーマであり、YouTubeやXなど、さまざまなSNSや情報サイトでもよく取り上げられている話題ですよね。
今回の投稿では、私自身の体験をもとに、「就活の軸」とに関して就活生が陥りがちな困難、「就活の軸」を固めることのメリット、どうやって決定すればいいのか、そしてそのために大学生活でどんなことを意識すれば良いのかについて、私なりの考えを発信できればと思います。また、私自身がどのような軸で就活をしていたのかについてもお伝えしていきます。就職活動に少しでも不安を感じている方の参考になれば嬉しいです!


目次
就活生が直面しがちな困難
先ほども申し上げた通り、就活の軸はさまざまなSNSや情報サイトでもよく取り上げられている話題であるため、聞き馴染みのある人も多いかと思います。
けれど、いざ自分の就活に落とし込もうとすると、「そもそも就活の軸って何?」「どうやって決めればいいの?」と悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。実は私も、就活を始めた当初はまさにその状態でした。
正直に言うと、私も最初の頃は「企業理念に似たことを言っておけば評価されるのでは?」とか、「“社会に貢献したい”みたいな綺麗事を言っておけば無難かな」といった、どこか表面的な考え方でESを書いたり、面接に臨んだりしていました。自分自身でもしっくりこないまま選考を受けていたので、当然のように結果は伴わず、最初の3ヶ月ほどはなかなかESも通らず、面接も突破できない日々が続きました。
ですが、自己分析を行いながら自分の過去を振り返ることで、少しずつ自分なりの「就活の軸」が見えてきました。「自分の中でもっとも強い「自分はどんなときにやりがいを感じるのか」など、自分の中にある価値観を丁寧に掘り下げていくことで、ようやく「これが私の就活の軸だ」と納得できる答えにたどり着くことができました。
その結果、選考でも一貫した熱意を伝えられるようになったことで、最終的には第一志望の企業から内定をいただくことができました。
就活の軸を明確に固めるメリット
就活の軸を固めるメリットはズバリ、「選考に通過しやすくなること」です!……といきなり言われても、「それってどういうこと?」と思われるかもしれませんね(笑)
でも実は、この“軸の明確さ”こそが、ESや面接での伝わり方に大きな差を生むポイントなんです。
就職活動では、「これまで頑張ってきたこと(ガクチカ)」「大切にしている価値観」「企業に入ってから挑戦したいこと」など、非常に幅広いトピックについて問われます。こうした質問に対して一貫したストーリーで答えるためには、根底にある「就活の軸」がとても重要になってきます。
たとえば、「自分はどんな価値観を持って行動してきたのか」「なぜその経験を通じて成長できたのか」「その延長線上に、どのようなキャリアを描いているのか」といった、“過去・現在・未来”をつなげる筋道がしっかりしていると、面接官は「この人は自分のことをよく理解していて、将来のビジョンもはっきりしているな」と感じてくれます。
逆に軸がぶれていると、「なんとなく頑張った経験」や「誰にでも言えそうな志望動機」になってしまい、印象に残りにくくなってしまいます。就活生にとっての“軸”は、いわば自分という人物を表す“背骨”のようなもの。どれだけ魅力的なエピソードを持っていても、それが軸とつながっていなければ、全体として説得力を欠いてしまいます。
私自身も、就活初期は「それっぽい上部な言葉でまとめれば何とかなる」と思っていた時期がありました。でも、何社受けても手応えがなく、選考に落ち続ける日々…。その中で、自分の経験や価値観を改めて整理し、就活の軸を言語化してからは、面接で自信を持って話せるようになり、通過率もアップしました。
つまり、「就活の軸」を固めることは、自分自身を深く理解し、その想いを他者に伝えるための土台を築くということ。その結果として、選考に通過しやすくなるという、大きなメリットにつながるのです。
私の就活の軸
1つの例として、私の就活の軸についてお話していきます。私の就活の軸は、「裏方として、広く社会の当たり前を支えたい」でした。一見地味に聞こえるかもしれませんが、私にとっては、自分の人生経験を通じてたどり着いた、揺るぎない思いでした。
以下では、なぜこの軸にたどり着いたのか――つまり過去の経験と現在の価値観、そして将来やりたいことがどう繋がっているのかを説明していきます。
過去の経験から生まれた気づき
私は、小学校1年生から中学校3年生までの9年間、野球に打ち込み、そして高校1年生から現在に至るまでの6年間、音楽活動を続けてきました。
そんな長い活動の中で、強く感じたことがあります。それは、「目立たないけれど、誰かの“当たり前”を支える存在の大切さ」です。
たとえば、野球ではグラウンドを整備してくれる人や審判の方々がいなければ試合は成り立ちません。音楽では、音響や照明など舞台裏で支えてくれるスタッフがいなければ、観客の前で安心して演奏することはできません。
私たちが“当たり前”だと思っていた活動の裏には、誰かの支えや努力が確実に存在していたのです。
そのことに気づいてから、私は大学の音楽サークルでも、演奏する側でありながら、運営する側としても活動することを選びました。150人以上が所属する大規模なサークルの裏方として、ライブの運営、会場手配、機材管理、スタッフ育成など、多岐にわたる業務を担当しました。
目立つ役割ではありませんでしたが、「みんなが安心して活動できる環境を整える」という仕事には、何にも代えがたいやりがいがありました。
この経験を通じて、「自分は裏方として、広く社会の当たり前を支えることにこそ力を注ぎたい」という思いを、自身の就活の軸に固めました。
未来に向けて:進路選択と面接回答
就活の軸が明確になったことで、業界選びや企業選び、さらには面接での受け答えに至るまで、一貫した方針を持って就職活動に臨むことができました。
ここでは、どのように就活の軸をもとに進路を選び、面接でどんな風に答えていたかについてご紹介します。
進路選択の考え方
私の就活の軸である「裏方として、広く社会の当たり前を支えたい」という思いを実現するには、社会インフラを下支えするような仕事ができる業界が理想的だと考えました。
その結果、特に注目したのが インフラ業界、金融業界、IT業界の3つです。これらの業界はすべて、人々の暮らしの基盤に関わる分野であり、社会の裏側から大きな影響を与えることができると感じたからです。
中でも、さまざまな業界にまたがって技術的支援を行うことができるため、より幅広く社会の仕組みに関われる点に魅力を感じ、IT業界を第一志望としていました。
面接での回答例
実際の面接では、以下のような質問が頻繁にありました。
それぞれの質問に対して、就活の軸を起点にしながら一貫性をもって答えることを意識していました。
■ なぜIT業界を志望しているのか?
「私の就活の軸は、“裏方として社会の当たり前を支えること”です。ITは現在、インフラや金融、行政、教育などあらゆる分野の業務基盤になっています。だからこそ、IT業界に身を置くことで、特定の業界に限定されず、多方面から社会を支えることができると考えています。」
■ なぜその中でも当社なのか?
「貴社はその規模の大きさから、社会的に大きなインパクトを与えるようなシステム開発プロジェクトにたづさわることができるだけでなく、公共系の案件に多く携わっており、行政や社会保障といった生活の根幹を支えるプロジェクトが多いと伺いました。そういった“生活インフラ”を支えることに強いやりがいを感じています。」
■ 将来的にどんな仕事がしたいか
「将来的には、マイナンバーのシステムのような公共性の高いプロジェクトに携わりたいです。多くの人にとって必要不可欠でありながら、普段はあまり意識されない“当たり前”を支える仕事に挑戦したいと思っています。」
このように、「就活の軸」を出発点として答えることで、過去の経験・現在の価値観・未来のビジョンを一貫して語ることができました。
面接官からも「話に筋が通っていて説得力があるね」といった反応をいただくことが増え、選考の通過率も上がっていきました。

実際に就活の軸をどうやって決めたらいいの?
ここでは、「就活の軸をどのように決めればいいのか?」という疑問に対して、私なりの考えをお話ししたいと思います。
私が「裏方として、広く社会の当たり前を支えたい」という就活の軸を固めたのは、それが自分のこれまでの人生で最も力を入れてきた活動を通じて得た価値観であり、心から叶えたいと思った願いだったからです。
また、そのような結論に至るにあたって、過去の経験を振り返り、そこで感じてきたことを明確に言語化することが、就活の軸を見つける大きな手がかりになったと私は考えています。
では、どのように振り返ればよいのでしょうか?おすすめは、以下のような問いを自分に投げかけてみることです。
- 小・中・高校・大学を通じて、最も熱中した活動は何だったか?
- その活動の中で、どんな時に「楽しい」「嬉しい」「やりがいがある」と感じたか?
- 逆に、どんなことに「悔しい」「モヤモヤする」「変えたい」と感じたか?
- その経験を通じて、自分は何を大切にするようになったか?
このように、自分の過去の経験を丁寧に振り返ることで、今の自分の考え方や価値観が「なぜそうなったのか」という根っこが見えてきます。
そしてその根っこから導き出された価値観こそが、あなたがこれからの人生で何を大切にしたいか=就活の軸になるはずです。
「自分には特別な経験なんてない」と思うかもしれません。でも、大切なのは“すごい経験”を探すことではなく、自分がどう感じ、何を大事にしてきたかを見つめ直すことです。
あなた自身のこれまでの歩みにこそ、あなたの軸のヒントが必ず眠っています。素直な気持ちで過去と向き合ってみることによって、あなたの“これから”を形づくる大切な価値観が見えてくるはずです。
就活の軸を決めるために、大学生活でするべきことは?
先ほど、「就活の軸は過去の経験を振り返ることで見つけられる」とお話ししましたが、もしかすると「高校までの経験では、まだ軸につながるような気づきがなかった」という方もいらっしゃるかもしれません。
そんな方に向けて、“就活で困らないために、大学生活で何を意識して過ごせばいいのか”を私なりの視点でお伝えします。
私が思うに、就活の軸を固めるために大学生活でするべき最も大切なことは、
「自分の“好き”や“興味があること”に、とにかく全力で取り組んでみること」です。
よく、「就活のためには長期インターンに参加しなきゃ」とか、「ボランティアや海外経験がないとダメなのかな…」と焦ってしまう人もいるかもしれません。もちろん、それらの経験が自分に合っているなら挑戦するのも良いと思います。でも、無理をして“就活ウケ”を狙う必要はまったくありません。
それよりも、自分の内側から「やってみたい!」「面白そう!」と思えることに素直に飛び込んでみることの方が、ずっと意味があると思います。
たとえば…
- アルバイトで接客を頑張って、常連さんに名前を覚えてもらった
- サークル活動で後輩の指導に真剣に向き合った
- 学祭の準備で裏方に徹して全体の進行を支えた
- 好きな分野のゼミで、誰よりも文献を読んで議論を深めた
など、どんな小さな経験でも構いません。そこに“夢中になれた理由”や“やりがいを感じた瞬間”があるなら、それは立派な自己理解につながる材料です。
そうした経験の中で湧き上がる「楽しい」「悔しい」「もっとこうしたい」といった感情こそが、自分が大切にしている価値観=就活の軸のヒントになります。
大切なのは、「結果」ではなく「過程」です。うまくいった・いかなかったではなく、「どんな思いで行動したか」「そこから何を感じ取ったか」を丁寧に振り返ることが、将来の選択の軸を作ってくれます。誰かと比べる必要はありません。あなた自身の“リアルな経験”にこそ、意味があると思います。
おわりに
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
ここまでお伝えしてきたように、「就活の軸」は就職活動の選考を通過するためだけでなく、自分らしいキャリアや人生を歩んでいくための“羅針盤”のような存在です。
私自身も、就活初期は軸が定まらず、何を基準に企業を選べばよいのか分からずに迷う日々が続きました。でも、自分の過去を丁寧に振り返り、「自分が大切にしたいことは何か」と向き合い続けたことで、自分なりの答えにたどり着くことができました。
「就活の軸を決めること=自分の価値観や思いを言語化すること」です。
これは一朝一夕でできることではありませんが、好きなこと・頑張ったことに全力で取り組み、それを素直に振り返ることで、必ず見えてくるものがあると思います。
この記事が、少しでも大学生活や就職活動、その先の将来に不安を感じている方のヒントになれば嬉しいです。
