慶應義塾大学法学部法律学科に現在通っている私が、慶應の法学部の入試について分析・解説します。
慶應義塾大学の資料請求はこちら毎年変化する大問1
毎年大問1は問題形式が固定しておらず、文法正誤問題、発音・アクセント、英単語パズルなど多様な問題が出題されます。
近年は英単語パズルが3年連続で出題されています。受験生の皆さんは過去問を確認してみてください。4年連続で出題するとは考えづらいです。今年はまた形式を変えてきてもおかしくありません。
一番対策が困難な大問だと思います。私はこの大問のためにこれといってやっていたことはありません。
名物の難語定義問題・インタビュー問題
難語定義問題
法学部名物の問題の1つ目は難語定義問題です。
短文中の受験生が到底知り得ない単語に下線を引き、その単語の説明になる英文を選択肢から選ぶ問題です。
この問題は難単語を知っているかどうかの問題ではなくて、未知語推測能力を問う問題です。以前は文章が論理的で、筆者の伝えたいことが分かれば文脈で何となくだろうといった具合に解くことが出来ました。
しかし、近年、エッセイ・随筆のような文章が使用されるようになり、文脈だけで推測するのが難しくなりました。選択肢の意味を考慮しながら、下線部の前後の他の単語と一緒に使って問題ないか、近くに類似した表現がないか などさまざまな視点から考えないと解けない問題になっています。これを短時間で処理するのはなかなか難しいでしょう。
インタビュー問題
法学部名物の問題の2つ目はインタビュー問題です。
この問題は一時期出題されていませんでしたが、近年また復活して今年の入試にも出題されました。
名前の通りインタビューのやり取りを完成させる問題です。質問者と回答者の文章がそれぞれ書かれていて、質問者の質問に合致する回答者の返答を選択肢から選びます。聞いただけだと簡単に聞こえますが、実際は分かりづらく、相当厄介です。
また、長文の次に配点が高い大問であるといわれているので、できるだけ得点したいところですが、1つでも使う選択肢を間違えてしまうと芋づる式で次から次へと点を落としてしまうので注意が必要です。
会話文問題
法学部は毎年必ず会話文を出題します。
以前は、ネイティブが用いるような難しい会話表現や熟語表現を出題していました。問われている表現が分からないと全く解けないように作問されていました。
しかし、近年では会話の流れが把握できて、基本的な文法が分かれば解けるような比較的簡単な大問へと変化しました。逆に言うと、この大問で間違えてしまうと周りの受験生と差がついてしまうので、点が落とせない大問です。
長文読解
法学部では毎年1つしか長文が出題されません。量の非常に多いわけでもなく、文章の内容も理解しやすいものが多いです。
法学部の長文の難しいポイントは、文章本文ではなく、問題の選択肢です。選択肢の作りが非常に巧妙で丁寧に吟味しないと間違えてしまします。
しかし、該当範囲が決まっているので根拠を探すのにはそれほど苦労はしないと思います。時間がない中でいかに正確に選択肢の吟味が出来るかがポイントです。
私は今年の入試で長文は満点でした。年によりますが満点を狙える大問なので、会話文と同様、得点源にしましょう。
問題文でそのアルファベットに言及しているので探しやすい
全体を通して
法学部の英語は試験時間が80分です。長文が1つしかないにもかかわらず、時間がありません。
難語定義問題とインタビュー問題に非常に時間を取られて、長文の選択肢の吟味にも時間がかかります。綿密な時間配分計画がないと100%解き終わりません。
私も今年の本番では、案の定インタビュー問題に時間を取られてしまい、終了時間間際に解き終わりました。
時間配分の目安は、不定の大問10分、難語定義問題・インタビュー問題にそれぞれ15分、会話文に10分、長文に25分、予備の時間5分となります。私はこの時間配分を意識して解いていました。
配点は公開されていませんが、長文とインタビューの配点が高いことは間違いありません。今年の予想では、長文が7点×10問、インタビューが5点×8問となっています。つまり、この2つが全体の半分以上の点数を占めているということになります。
私はインタビュー問題が苦手で、本番では8問中3問しかあっていませんでしたが、長文が満点だったおかげで、大事故は回避することが出来ました。この2つの大問の出来具合が、合否を大きく左右するといってもいいでしょう。
最後に
慶應は英語勝負だとよく言われますが、法学部は特にそれに当てはまります。
なぜなら、歴史の難易度が高く、差が付きにくいからです。法学部の英語を攻略するには前述したように時間配分が大切です。自分自身で過去問を分析しながら時間配分を決めていってください!