こんにちは!なおきです。
「ビール1本から無料配送」というユニークなサービスを展開する「お酒のカクヤス」で、私は約1年間、配達員として働きました。

自転車に乗って街を駆け抜け、大小さまざまなお酒を届ける日々。
配達エリアは限られていても、突然の豪雨や猛暑、時間との戦いなど、現場ならではの苦労がありました。
それでも、お客様の「ありがとう」の一言に救われ、気づけば大学生活の大切な1ページとなっていました。
この記事では、電動自転車での配達体験を通じて得た学びや成長を、高校生の皆さんにもリアルに伝えます。

目次
はじめに:カクヤスでの配達員バイトを始めたきっかけ
大学1年生の春、ちょうど大学での新生活が始まるタイミングで、私は「お酒のカクヤス」で配達員のアルバイトを始めました。
きっかけは、配達エリアが自宅から近かったこと、そして何より「ビール1本から無料配送」というサービスに興味を持ったことです。
ネットで求人を見つけ、シフト制で働けることや、自転車で体を動かせる点に惹かれ、応募を決めました。
初めての面接では「どんな配達でも丁寧に対応すること」を大切にしていると教わり、緊張しながらも「頑張ってみよう」と決意したのを覚えています。
最初の数日は、先輩スタッフと一緒に店舗を出発し、実際に配達ルートを回る「同行研修」から始まりました。
例えば「このマンションの宅配ボックスは使えないから、インターホンで呼び出す」「このアパートはエレベーターがないので階段で運ぶ」といった現場ごとの注意点や、効率よく荷物を運ぶコツを教えてもらいました。
先輩は配達先の道を地図なしでスイスイ進み、建物の構造やお客様のクセまで熟知していて、「これがプロか」と感心したのを覚えています。
配達ルートを一緒に回りながら、荷物の積み方や電動アシスト自転車の扱い方、お客様に渡すときの声のかけ方まで細かく指導されました。
特に、急な坂道を登るときや、重いビールケースを運ぶときのコツを実践的に学べたのは大きな収穫でした。
先輩の「焦らず、でも無駄のない動きが大事」というアドバイスは、その後のバイト生活でもずっと心に残っています。
そして初めて一人で配達に行った日、配達先に着く直前で突然の雨。制服のポロシャツがびしょ濡れになりながらも、お客様に荷物を無事に届け「ありがとう」と笑顔で言ってもらえた瞬間、全ての苦労が吹き飛ぶような達成感を味わいました。
業務内容と1日の流れ
カクヤスの配達員として働く1日は、店舗に出勤してから電動アシスト付き自転車で配達エリアを回るところから始まります。
私の配達エリアはお店から半径1~2kmほどの範囲で、飲食店から一般のご家庭まで幅広いお客様が対象でした。
まず出勤後は、その日配達する商品とルートを確認します。お酒だけでなく、おつまみやジュース、時にはミネラルウォーターのケースまで、多岐にわたる商品を自転車の荷台に積み込みます。

荷物が多いときはリヤカーのようなカゴを取り付けることもあり、「こんなに積めるの?」と思うくらい大量に積んだ日もありました。
電動アシスト自転車は、坂道や重い荷物を運ぶ際の負担をかなり軽減してくれる頼もしい相棒です。
しかし、狭い道や人通りの多いエリアではスピードの出し過ぎに注意が必要で、ブレーキ操作や周囲への気配りも欠かせません。
配達中は、荷物を届ける先のインターホンを鳴らし、注文者の確認を取ってから商品を手渡します。
お店やマンションによっては常連のお客様もいて、「今日もありがとう!」と笑顔で迎えてくれることもあり、嬉しさとやりがいを感じる瞬間でした。
逆に、お届け先がわからず迷ったり、住所が不完全で電話をかけて確認したりする場面もあり、地図やスマホを駆使して臨機応変に対応する力も身につきました。
また、配達が少ない日には、店内でレジ対応や品出し、配達品の仕分けといった業務を手伝うこともありました。
特に週末前の夕方や雨の日は配達が落ち着くことが多く、店内業務にシフトすることで「配達員」としてだけでなく「店舗スタッフ」としての役割も学べました。
1日の終わりには、店舗に戻り、残った荷物や自転車の点検、明日の準備をします。特に夏場は汗だくで、終業後の冷たい飲み物が最高のご褒美でした。
こうしたルーチンの中でも、日によって荷物の量や天候、お客様の対応が異なり、毎日新しい気づきと学びがありました。
成人しているスタッフは良く終業後にビールで乾杯していたのですが、私はまだ成人前で毎回ジュースで参加しててちょっぴり悲しかったです。笑
カクヤスのように酒類を扱うお店は特に未成年飲酒に厳しく、お酒を飲まなくても居酒屋などに同席していただけで処分されてしまうという話を聞き、とても驚きました。
配達員としてのやりがいと大変さ
カクヤスの配達員として働いていると、日々の業務にはやりがいもあれば、当然大変さもつきまといます。
やりがいを感じるのは、お客様とのやり取りです。
特に常連のお客様が「いつもありがとうね」と声をかけてくれる瞬間は、配達員としての努力が報われた気持ちになりました。
たとえば、週に何度も注文をくださる近所の飲食店の店主さんは、配達のたびに「気をつけてね」と笑顔で送り出してくれ、自然とこちらも笑顔になります。
配達という仕事は、単に荷物を運ぶだけでなく、人と人との信頼関係を築く場でもあるのだと実感しました。
しかし、そんな日々の中でも大変なことは少なくありませんでした。
まず、天候の影響は大きな課題です。真夏の猛暑の中での配達は、汗だくで体力を消耗し、飲み物をこまめに補給しないと熱中症になりかねません。
逆に雨の日は、レインコートを着ていても荷物が濡れないよう注意が必要で、自転車のブレーキも効きにくくなるため、慎重に走行しなければなりません。
また、配達先が複雑なマンションや細い路地にある場合は、道に迷ったり、インターホンを押しても応答がなかったりと、想定外のトラブルもありました。
特に、夕方のピーク時には「早く届けなければ」という焦りと戦いながら、効率よくルートを回る工夫が求められます。
そして、荷物の重さも想像以上でした。ビールケースや大量のペットボトルなど、電動自転車の力を借りても積み降ろしはなかなかの重労働。
荷物の積み方や、重い荷物を効率よく運ぶコツをつかむまでには、何度も失敗を繰り返しました。
それでも、配達が無事に終わった時の達成感や、お客様の笑顔は何ものにも代えがたい経験でした。
これらの大変さを乗り越えたからこそ、配達員としてだけでなく、一人の社会人としても成長できたと感じています。
カクヤスの配達サービスの特徴
「お酒のカクヤス」といえば「ビール1本からでも送料無料」で有名ですが、実際に現場で働く中で、このサービスのすごさと背景を実感しました。
まず、配達範囲は店舗を中心に半径1~2km圏内と比較的狭いものの、その中では注文を受けてから最短30分以内で届けることを目指しています。このスピード感は、競合他社との差別化につながっていました。
また、扱う商品はお酒だけにとどまらず、ソフトドリンクやミネラルウォーター、おつまみ、さらには氷や乾き物といった細かなアイテムまで幅広いのが特徴です。
コロナ禍以降は、家庭向け需要が急増し、「おうち飲み」や「オンライン飲み会」需要に応える形で、非接触配達にも力を入れるようになりました。
私自身、注文内容を見て「今日は家でお祝いかな?」と想像しながら届けることもあり、お客様の日常に寄り添う仕事だと感じる瞬間が多かったです。
また、業務用のお客様も多いため、飲食店や居酒屋への配達は夕方から夜にかけて集中します。
注文の多い日は、商品を積み込む段階でリストを見ただけで「これは忙しくなるぞ」と気合を入れたのを思い出します。
お店ごとに異なる注文パターンや「このお店は裏口から届けてね」という細かい指示も多く、記憶力や柔軟な対応力が問われました。
「無料配送」で利益を出す仕組みは、近距離かつ複数の注文を効率よくまとめることに加え、業務用の大量注文やリピーター獲得でバランスを取ることで成り立っています。
この工夫が、働く側にも「単なるバイト以上の経験」を与えてくれたと感じます。
配達員バイトを通じて得たスキルと学び
カクヤスでの配達員バイトを通じて、私は単に「荷物を運ぶだけ」ではない、多くのスキルや学びを得ることができました。
まず身についたのは、体力と忍耐力です。電動自転車を使うとはいえ、ビールケースやペットボトルのケースを積み込んだ自転車を操るのは想像以上に体力が必要です。
配達中に急な坂道を登ることもあれば、炎天下や雨の中でも走らなければならず、自然と「続ける力」が鍛えられました。
次に、時間管理能力も大きく成長しました。限られた時間内に複数の配達先を回るためには、効率的なルート選びと時間の読みが不可欠です。
「ここは先に届けておくと後が楽」「この時間帯は道が混むから先に行こう」と、頭の中で常に計算しながら動く習慣が身につきました。
さらに、コミュニケーション力も磨かれました。お客様の多くは常連さんで、配達時に「こんにちは!」と挨拶することから関係が始まります。
中には「次回もよろしくね」と笑顔で言ってくださる方もいて、顔を覚えてもらえる喜びは大きなやりがいでした。
お届け先がわからず電話をかけて道を聞いたり、注文内容に間違いがあったときに丁寧に謝罪したりする場面もあり、「伝える力」と「対応力」が自然と鍛えられました。
このバイト経験を通じて、私は「効率よく動きながらも、人とのつながりを大切にする力」を学びました。
どんな仕事にも共通するスキルが身についたことは、大学生活やこれからの社会人生活に向けての大きな財産だと感じています。
まとめ:カクヤスでの配達員経験を振り返って
「お酒のカクヤス」での配達員バイトは、大学生活の一部として大切な経験となりました。
初めは電動自転車で重い荷物を運ぶことや、複雑な道順に戸惑うことも多く、正直「続けられるかな」と不安になる日もありました。
しかし、配達先での「ありがとう」や「助かったよ」といったお客様の声、先輩スタッフからの励まし、少しずつ自分のペースをつかんでいく中で、仕事に対するやりがいや達成感を強く感じられるようになりました。
配達を通じて体力や時間管理、コミュニケーション力といった実践的なスキルを得ただけでなく、「どんな状況でも臨機応変に対応する力」や「丁寧に、効率よく仕事を進める姿勢」も身につきました。
これはきっと、これから就職活動や社会人生活においても活かせる貴重な財産だと思います。
もし高校生の皆さんが、大学進学後のアルバイト選びで迷っているなら、「お酒のカクヤス」のように、現場で体を動かし、直接お客様と関わる仕事も選択肢のひとつです。
大変なことも多いけれど、その分やりがいと成長が詰まった日々を過ごせるはずです。
