「ギターと温泉とほうとうと。」男4人、春目前の山梨を満喫した2日間

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こんにちは!早稲田大学4年のなおきです。

大学生活も3年目に差し掛かろうとしていた3月のある日。

まだ吐く息が少し白く、朝晩の冷え込みにはダウンが手放せない、そんな季節でした。春がすぐそこまで来ているのを感じながらも、「今しかできないことをしたい」と思い立ち、仲の良い先輩たちとの小旅行が決まりました。

今回の旅は、大学の先輩3人と私を含めた男4人旅です。

普段は都内で会うことが多いのですが、「せっかくなら一泊で温泉に行きたいね」とLINEで話が盛り上がり、あっという間にプランが固まりました。

先輩たちは就職活動がちょうど一段落したタイミングで、私にとっては、少しだけ未来を先取りしているような先輩たちと過ごせる貴重な時間でもありました。

行き先は山梨県。絶景の露天風呂「ほったらかし温泉」や、ギターの音が似合う「萌木の村」、そして名物の「ほうとう」など、見どころも食べどころもたっぷり詰まったプランです。

ドライブの途中にはラーメンやハンバーグも挟みながら、男子旅らしい食と遊びのフルコースを楽しみました。

大学生って、自由だなあ」と思わず口にしたくなるような、そんな2日間でした。

普段はアルバイトや課題、就職活動やゼミで慌ただしい毎日を送っていますが、スケジュールをやりくりして、ふらっと遠出できる自由さも大学生活の魅力のひとつだと感じました。

今回の記事では、そんな私たちのリアルな旅の記録をご紹介します。高校生の皆さんにとって、「大学生になったらこんなこともできるんだ」と思えるような、そんなきっかけになれば嬉しいです。

出発は横浜から:花粉と立体駐車場との戦い

旅の当日、私は朝早くに自宅を出発し、先輩たちの住む横浜へと向かいました。

今回の集合場所は、横浜駅から少し離れた立体駐車場にあるタイムズカーのレンタカー拠点。先輩が予約してくれていた車を受け取って、いよいよ出発です。

……とはいえ、最初からスムーズにいくわけではありませんでした。立体駐車場の出口は狭くて急なカーブの連続で、先輩がハンドルを握りながら「これ、どうやって出るんだよ……!」と半ば本気でつぶやいていたのをよく覚えています。

助手席の私は、笑いながらも心の中ではちょっとヒヤヒヤしていました。

そしてもう一つ、大きな敵がありました。それは花粉です。3月中旬といえば、まさにスギ花粉のピーク。

私と先輩の一人は花粉症持ちで、ティッシュを片手に車に乗り込みました。走行中もくしゃみや鼻水との戦いが続き、車内にはティッシュの山が徐々に積み上がっていく始末。

「このまま山梨まで鼻がもつかな……」と不安に思いつつ、それも含めて春らしい風物詩として楽しむことにしました。

とはいえ、気心の知れたメンバーと一緒なので、少しのトラブルも笑い話になります。

立体駐車場をなんとか抜けて、いよいよ高速道路に乗ったときの「これから旅が始まるぞ」という高揚感は、今でもはっきり覚えています。

次の目的地は、町田商店本店。ラーメン好きが揃ったメンバーでの“腹ごしらえ”が始まります。

町田商店本店で腹ごしらえ!ラーメン好きの至福時間

高速道路を走ること約1時間、最初の目的地である町田商店本店に到着しました。町田商店といえば、言わずと知れた家系ラーメンの人気店

今回は「どうしてもここの本店で食べたい!」という先輩の強いリクエストで、山梨に向かう途中に寄り道することになったのです。

実は、今回の旅メンバーは全員ラーメン好き。学食やワセメシではもちろん、普段からおすすめの店を共有し合うような間柄です。

そんな私たちにとって、旅のスタートを彩るにはうってつけのスポットでした。

店に入ると、まずは食券機の前で誰が何を食べるかの真剣会議が始まります。迷った末に私が選んだのは、こってり濃厚なスープにチャーシューをトッピングしたラーメン+ライスの王道セット。

家系ラーメンにライスは欠かせません。そして、途中からは卓上にある生姜や豆板醤、にんにくなどの無料トッピングで、味変を楽しむのが通の流儀です。

スープを一口すすると、じんわりとした豚骨のうま味が体の芯まで染み渡っていくような感覚。冷えた身体が一気に温まります。

中太麺はスープとよく絡み、チャーシューは柔らかくてジューシー。さらに、スープにひたした海苔でライスをくるんで食べる瞬間は、思わず目をつぶって味わいたくなるほどの至福です。

誰もが無言でラーメンと向き合いながら、たまに「うまっ」「これ正解すぎる」とだけ漏らす。

食後は、全員が満腹と満足でゆるんだ表情になっていて、店の外に出たときには「もう今日ここでゴールでいいよね」なんて冗談も飛び出すほどでした。

しかし、旅はまだ始まったばかり。次なる目的地は、いよいよ本日のメインスポット、山梨県の「ほったらかし温泉」です。

ほったらかし温泉で絶景露天を堪能

お腹を満たした私たちは、車を再び走らせて山梨県へと向かいました。高速道路を降りて、のどかな景色が広がる道を進んでいくと、少しずつ標高が上がり、空気がひんやりとしてきます。

目的地は、山梨県を代表する絶景温泉「ほったらかし温泉」。

名前のインパクトとは裏腹に、その魅力は計り知れません。

車を駐車場に停め、坂を少し上がると、遠くに富士山の頭がすっと見えてきました。

その瞬間、空気がピンと澄んだように感じ、全員が「これは絶対にすごいぞ」と確信したように頷き合いました。

受付を済ませ、いざ浴場へ。ほったらかし温泉には「こっちの湯」と「あっちの湯」という2種類の露天風呂があり、今回は富士山が正面に見える「こっちの湯」を選びました。

木の香りが漂う内湯を抜けて外に出ると、目の前には想像を超える景色が広がっていました。

甲府盆地のパノラマと、遠くに浮かぶ富士山。そしてそのすべてを包むような、静かで穏やかな空。

湯に浸かりながら眺めるその風景は、まるで時間が止まったかのような感覚を与えてくれます。

お湯はちょうどよい温度で、肌にやさしく、旅の疲れもふわりとほどけていくようでした。

湯船に身を委ねながら、先輩たちとぽつぽつ会話を交わします。「こういう時間、大事だよな」「就活終わった実感がようやく湧いたかも」——そんな言葉が自然と出てくるのも、温泉の魔法かもしれません。

風呂上がりには、駐車場のすぐそばにある自販機で瓶コーラを購入。キンキンに冷えた炭酸の刺激が、温泉で火照った体に心地よく染み渡りました。自然と顔がゆるんで「これはうまい」と全員が笑顔に。まるでCMのワンシーンのような時間でした。

夕方が近づき、空がオレンジ色に染まり始めるころ、私たちは次の目的地へと向かいました。山梨の山道をさらに奥へ。

夜はアメリカンレストラン→ホテルでまったりギター演奏

温泉で心も体もほぐれた私たちは、再び車に乗り込み、山梨の山道をさらに奥へと進みました。

日もすっかり傾き、外は薄暗くなってきたころ。ちょうどお腹が空いてきたタイミングで、道沿いに見つけたのがアメリカンスタイルのレストランでした。

ログハウス風の店構えに誘われてふらっと入ってみると、店内はウッド調のインテリアでまとめられており、温かみのある照明に包まれた落ち着いた雰囲気。

旅の途中にこんな場所があるとは思っていなかったので、全員テンションが少し上がりました。

私たちが注文したのは、たっぷりのチーズがとろける鉄板ハンバーグ。ジュウジュウと音を立てながら運ばれてくるその光景に、思わず「うまそう…」と声がもれます。

チーズと肉汁のコラボは期待以上で、ナイフを入れるたびに幸せな香りが立ちのぼり、白ごはんがどんどん進みました。

食事を終え、ほどよい満腹感とともに向かったのは、今夜の宿。今回は先輩が2部屋予約してくれていたホテルで、1部屋に2人ずつ分かれて泊まることになっていました。

チェックインを済ませ、部屋に荷物を置くと、自然と誰かが言い出します。「ちょっとだけ演奏する?」

そう、今回の旅には先輩が持ってきたギターも同行していたのです。深夜のホテルということもあり、音量を抑えながら、ベッドに腰かけての小声ギタータイムがスタートしました。

演奏したのは、学生バンド界隈ではおなじみの邦ロックや、ちょっと懐かしいJ-POPなど。私は普段、サークルでもギターを弾いているのですが、今回は聴き手にまわって、ゆったりとした雰囲気を楽しみました。静かな部屋にアコースティックな音色がふわっと響くその時間は、まるで旅の余韻を味わうような、贅沢なひとときでした。

そしてもう一つ、この夜を彩ったのは就活の話です。先輩たちはすでに内定が決まり、あとは卒論や卒業旅行を控えている時期。

これまでの就活の流れや、自己分析のやり方、面接でのちょっとした裏話など、実際に経験したからこそのリアルな言葉は、私にとってとても参考になりました。

「今のうちに、いろいろやっといたほうがいいよ」
「でも、こういう旅とかもちゃんとやっとけよ」

そんな言葉に、私は思わずうなずきながら、いつか自分も後輩に同じことを言えるようになりたいなと思いました。

この夜は、会話もギターの音もだんだん少なくなり、自然と眠りにつくように静まっていきました。

朝はこだわりのハンドドリップで

翌朝、目を覚ますと窓の外には朝霧がうっすらとかかり、山梨の朝らしい、ひんやりとした空気が流れていました。

ホテルの朝ごはんはビュッフェスタイルで、温かいパンやスクランブルエッグ、フルーツなどをゆっくりと味わいました。どこか旅行気分が増す、ちょっと贅沢な朝時間です。

朝食を終えたあと、部屋に戻ると先輩のひとりがトートバッグから何やらごそごそと取り出し始めました。

出てきたのは、ハンドドリップ用のコーヒー器具一式。ドリッパーにペーパーフィルター、計量スケール、そして丁寧に密封されたコーヒー豆まで。

「昨日の夜さ、あえて飲まなかったんだよ。朝に飲んだ方が絶対うまいから」と笑う先輩は、すでに何度もこのセットで淹れてきた様子。豆はコロンビア産の中煎りで、ややフルーティーな香りが特徴とのことでした。

お湯を細くゆっくりと注ぎながら、香りが立ち上ってくる瞬間、部屋の空気がふっと変わったように感じました。

静かな音と湯気、そして漂う甘くほろ苦い香り。この一杯のためにわざわざ器具を持ってきてくれた先輩のこだわりと心意気に、朝から感動してしまいました。

一口飲んでみると、驚くほど飲みやすくて、ほんのりとした酸味とコクがバランスよく感じられます。「コンビニのコーヒーとはやっぱり違うな…」とつぶやくと、先輩がうれしそうに「でしょ?」と笑っていました。

大学生活のなかで、こうした“ちょっとしたこだわり”を持っている先輩て、なんだかすごくかっこよく見えます。

コーヒーという日常的なものが、旅のなかで特別なひとときに変わる。そんな体験も、学生旅行ならではの魅力だと感じました。

コーヒーを飲み終えた私たちは、次なる目的地、JR鉄道最高到達地点へ向けて、再び車を走らせました。

JR鉄道最高地点でプチ探検

ホテルを出発して車を走らせること十数分。次に向かったのは、JR鉄道最高到達地点として知られるスポットでした。

正直なところ、訪れるまでは「そんな場所あるんだ?」というレベルで、そこまで期待していなかったのですが、到着してみると空気がまったく違いました。

看板には「標高1,375メートル」の文字。全国のJR路線のなかでも最も高い場所を走る地点に、自分たちが立っているという事実に、思わず「すげぇ……」と声が漏れました。

まわりには大きな施設があるわけでもないのですが、だからこそ、静かな空気と山に囲まれた開放感が印象的でした。天気もよく、遠くの山並みまでくっきりと見えて、ちょっとしたハイキング気分で周辺を散策しました。

そして、そのすぐそばには小さな売店がぽつんと営業していました。観光地らしく、鉄道グッズや地元のお土産が並んでいて、その中に見つけたのがソフトクリーム

しかも「ジャージー牛乳使用」との文字にひかれて、全員迷わず購入しました。

外のベンチに腰かけて、春の陽射しを浴びながら食べるソフトクリームは格別です。温泉、ハンバーグ、コーヒー、そして今度はアイス。やっていることは本当にシンプルなのですが、自然の中で仲間と過ごす時間が、何より贅沢だと感じました。

「次どこ行こうか?」
「まだ時間あるし、もう一か所寄ってから帰ろう」

そんなやりとりの中で決まった次の目的地は、山梨の北側にある「萌木の村」というスポット。

どうやら広い公園のような場所で、ギターがまた活躍しそうな予感がしてきます。

萌木の村で「歩いて帰ろう」セッション

JR鉄道最高到達地点を後にし、車をさらに北へ走らせて到着したのは、山梨県清里にある「萌木の村」という場所でした。

観光地として知られるこのエリアは、ヨーロッパ風の建物やカフェ、小さなショップが立ち並び、どこかメルヘンな雰囲気に包まれていました。

しかし、私たちが一番惹かれたのは、その敷地の一角に広がる広場。開けた空間にベンチとテーブルが点在していて、家族連れやカップルがのんびりと過ごしている姿が印象的でした。

「ここ、ちょっと演奏できそうじゃない?」という誰かの一言で、自然と車に積んであったギターを取り出す流れに。

もちろん、大音量で弾くわけにはいきません。でも、春の風と空の下でアコースティックギターの音が響く時間は、それだけで特別でした。

演奏したのは、斉藤和義さんの「歩いて帰ろう」。軽やかなリズムとポップなメロディーが、広場の雰囲気にぴったり合っていて、弾いている側も、聴いている側も、自然と体を揺らしてしまうような空気が生まれました。

近くにいた小さな子どもがちょっとだけ足を止めてこちらを見ていたり、ベンチに座っていた年配のご夫婦が優しく微笑んでくれたりと、ささやかだけれど嬉しい反応もありました。

演奏を終えたあと、ギターを膝に乗せたまま、ただぼーっと空を見上げていると、旅もいよいよ終盤に差し掛かっていることに気づきました。

たった一泊二日の旅だったはずなのに、時間がゆっくり流れていたからか、もう何日も一緒にいるような気さえしてきます。

「こういう何もない時間が、いちばん贅沢だよな」

先輩のその言葉に、みんなが無言でうなずいた瞬間。旅の記憶は、意外とこんな風に、大きな出来事ではなく、小さな出来事の積み重ねで残っていくのかもしれないと思いました。

さて、次はいよいよ旅の締めくくり。お昼ご飯に山梨の名物を食べて、帰路につきます。

締めは山梨名物・ほうとうランチ

萌木の村でのんびりとした時間を過ごしたあとは、そろそろ帰路につく前に最後の“山梨らしさ”を味わいたい、ということで、向かったのは近くの郷土料理店でした。

目当てはもちろん、山梨の名物料理「ほうとう」です。

お店に入ると、木造のあたたかみのある店内に、野菜を煮込む味噌の香ばしい香りが漂っていて、すでに食欲がそそられます。

メニューを見て、全員即決で「ほうとう定食」を注文。さらに「山菜の天ぷらがセットで付いてきます」と聞いて、期待がさらに高まります。

運ばれてきた鍋の中には、ごろごろとした野菜と幅広の平打ち麺がたっぷり。カボチャ、ニンジン、きのこ類、そしてやわらかく煮込まれた白菜……。どれも地元の食材だそうで、素朴ながら力強い味わいがありました。

まずはスープをひと口。味噌ベースの出汁がしみわたるように優しく、でもどこか深いコクがあって、身体の奥からじんわりと温まるのを感じました。そして平たい麺はもちもちとした食感で、具材との相性も抜群。

山菜の天ぷらはサクサクとしていて、濃厚なほうとうとのコントラストが楽しく、気づけば箸が止まらなくなっていました。

「うまっ……」
「なんか、ちゃんと“旅してる”って感じするな」

そんな声が自然とこぼれ、誰もが満たされた表情を浮かべていました。温泉やギターもよかったけれど、こうして土地の味を身体に取り込む体験は、またひと味違う旅の余韻を残してくれます。

食べ終わるころには、お腹も心もぽかぽか。車に乗り込むと、エンジンの音がいつもより少し静かに聞こえた気がしました。名残惜しさを感じつつも、旅の終わりにふさわしい一食に、みんなが「来てよかったな」と改めて感じていたと思います。

こうして私たちの一泊二日の山梨旅は、静かに幕を閉じました。

おわりに:青春は、春の手前で深まる

こうして、男4人で出かけた一泊二日の山梨旅行は、ゆるやかに終わりを迎えました。

立体駐車場の急なカーブに苦戦した出発から始まり、ラーメンでお腹を満たし、富士山を眺めながらの露天風呂、ハンバーグの鉄板の音、静かなホテルのギターの音色、そして香り高いハンドドリップコーヒー……。

ひとつひとつの出来事は小さくても、それが気の置けない仲間との時間であったことが、何よりもこの旅を特別なものにしてくれました。

大学生活は、何かと忙しく、バタバタと過ぎていく日々の連続です。授業、課題、バイト、サークル、就活……。でも、そんな中でもふとしたタイミングで時間を作って、遠出してみる。

そんな“余白のある時間”こそが、大学生活を豊かにしてくれると、今回の旅を通じて改めて感じました。

高校生の皆さんにとって、大学生活はまだ少し先のことかもしれません。でも、想像してみてください。自分で予定を決めて、友達と車でどこかへ出かけて、温泉に入って、好きな音楽を奏でて、美味しいご飯を食べて語り合う。そんな自由で、ちょっとだけ大人な時間が、皆さんの未来にはちゃんと待っています。

青春って、思っているより静かに、でも確かに深まっていくものなんだな。

春が来る少し手前で、そんなことをしみじみと感じた旅でした。

なおき

なおき

早稲田大学 政治経済学部 政治学科

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