【大学編入体験記】もう1度、本当に行きたかった大学を目指せる入試

こんにちは!東京外国語大学 言語文化学部4年生のゆうきです。
突然ですが、皆さんは編入学という入試形式をご存知ですか?

簡単にまとめると、大学や短大、専門学校などで2年間学んだあとに、学年を下げることなく別の大学に入学できる入試システムです。

「今の学力では第1志望校に到底かなわない…」
「浪人生として勉強し続ける自信がない…」と不安に感じている受験生や、

「大学に入学する前とした後で、学部のイメージが全く違った…」
「第2志望校に合格して通っているけれど、全くモチベーションが上がらない…」と絶望している大学1,2年生必見!!

本気で大学生活を180°変えたい人に読んでほしい、大学編入体験記です!

編入学って何?

 編入学試験は、全ての大学や学部で毎年行われているとは限りません。多くの場合、欠員募集の一環として行われます。2年次編入、3年次編入、4年次編入が存在しますが、一般的なのは3年次編入で、大学や短大、専門学校において指定された単位を取得した(または取得見込み)状態でのみ、受験が可能です。


試験の内容

 高校までの5教科の知識を問われる大学の共通テストや一般試験とは異なり、編入学試験では主に「入学した後に必要となる知識」が問われます。

言語学を学べる大学を目指して勉強していた専門学校時代

 例えば、経営学部に3年次編入するためには、一般的な経営学、簿記、マーケティング論の基礎をすでに学んだ状態で試験に臨む必要がありますし、外国語学部を目指すのであれば、基本的な文法事項や会話能力を持っている状態は必須です。極端な話、高校までに授業で習うような問題はほぼ出ないと考えて大丈夫です。


編入学試験一般入試
対象大学や短大、
専門学校など国が
指定した課程を修了した者
高等学校を卒業した者(見込みを含む)
試験の時期大学によるが、
ピークは9月~11月
早いところで6月。
二次募集などがあれば
2月頃まで実施される。
1月~3月頃
試験の内容志望した学部の専門知識高等学校レベルの問題
面接内容①志望理由
合格後の履修計画について
今までに学んだ知識についてなど
①志望理由
②これまでに頑張ったこと
③将来の夢など
編入試験と一般入試の違い

 よく、短大から内部進学で大学に編入するという進路を耳にすることがあると思います。もちろん内部進学ではそれなりの定員数を設けている大学がほとんどですが、全く違う外部からの編入も可能です。

 編入学の受験資格は様々なので、私の周りには「私立大学を2年で中退して編入した」という人もいれば、「アメリカの短大で学んでから日本の大学に編入した」というケースもあります。
 私は、都内にある編入学試験対策に特化したカリキュラムが組まれている専門学校に2年間通いました。いわゆる予備校と同じような立ち位置で勉強をするものだと考えてもらって大丈夫です。


試験対策

編入試験の難易度は?

 受ける人の母数が少ないこともあるので、正直、編入学試験における偏差値や「あの大学は受かりやすいよ」といった基準はなかなか見つからないものです。ですので、募集定員に関係なく、受験者の学びや今後のビジョンが志望した教授やゼミの研究内容と合致することが最重要ポイントです。
 倍率については、毎年人数が決まっている大学もありますが、常に「若干名」の募集となっている場合が多いです。


筆記試験の内容

 目指す大学・学部・専攻によって様々ではありますが、公表されているものを参考に、自身の力に合っているのか見定めることが大切です。

 一般的な編入学試験は、志望する学部の専門知識に加え、英語などの外国語の筆記試験を行っています。私が受験した大学では、言語学の基礎知識が問われる共通問題と、外国語の穴埋めや長文読解が出題されました。最近では公式ホームページ上やキャンパス内の入試課などで、過去問題集を見ることが出来る大学が増えてきています。

 具体的には、志望している大学・学部の1,2年生と同等の学習量がなくては編入した後の授業に追いつけないので、その分の勉強が必要であると言えます。以下の引用は、各大学の募集要項に記載してあるものですが、やはり具体的な出題数や難易度は、実際の過去問題を入手するのが最善策です。

 一部の大学ではTOEICや実用英語技能検定など指定された資格や点数を取得していれば当日の外国語の筆記試験が免除になるケースもあります。募集要項を隅々までチェックしましょう。


面接の内容

 編入学試験は個別面接が多く、受験者1人に対して面接官は2~3人が基本です。自分が志望したゼミの教授が面接官の1人として話を聞いて下さることもあるので、その場合はありったけの熱意をアピールしましょう。

 また、多くの大学の編入学試験で主に聞かれる質問は以下の通りです。これはほんの一部ですが、これまでに在籍していた学校で何を学んできたか、そして合格したあかつきには何がしたいのかを明確に言語化するための対策が必須です。

(例)
①どのゼミに入り、どのような研究を行いたいか。
②留学や院進学を考えているか。
③この先どのような論文を執筆したいか。
④その研究が社会にどのように貢献できるか。
 
                     

 また、コロナ禍の影響で2020年度以降オンライン形式での受験に切り替えた大学もあるため、筆記試験を省く代わりにオンラインでの口頭試問や志望理由書のみで選考が行われるケースも出てきています。


編入学を決める時に知っておきたいポイントまとめ

1. 編入学試験の情報は公表されないことが多いので、実際に志望校のオープンキャンパスや入試相談の機会を利用して自分の足で情報を稼ぐことが合格への決め手となる。

2.入学後、すぐにゼミに所属するケースが多いため、まずは師事したい教授や所属したいゼミを決めるところから始める(特に3,4年次編入の場合)

3.志望理由は、「入学後に新しい夢や目標を探していきたいです!」ではなく、合格後の計画が具体的に立っていることが重要。「○○教授の下で○○を学びたいので御校を志望しました。」など


編入試験を受けるメリット

本当に行きたかった大学を目指せる

 何といっても、一般入試で失敗してしまった人や、入学前と後の大学のイメージのギャップに苦しむ学生が、学年を下げずにもう1度本命大学を目指すチャンスとなります。3年次編入として募集している大学が多く、いくつかの私立大学にて2年次編入の募集がされています。

 浪人生が「高校までの勉強」をもう1年かけておさらいしていくのに対し、編入生は「大学での勉強」を先取りして学び、それが受験対策になるため、前に進んでいる感覚があることも強みです。自分のやりたいことを叶えるべく受験して、本当に行きたかった大学に合格できた時の喜びは何より大きいです。


専門学校にて卒論発表会を行った様子

2年生の時点で卒論の内容がほぼ完成している

 ほとんどの場合、合格して入学する際には3年生になるため、ゼミに所属する人が多いと思います。そのため、編入学試験で求められるのはどのような学問分野の知識を深めたいかを具体的にしてアピールすることです。

 通常の大学生であれば3年生に進級したタイミングで初めて研究内容について考え、3年生の秋~4年生の春頃にアウトラインを作成し始める→4年生の冬までに必死になりながら卒論を完成させるという流れが多いように感じます。

 それに対して編入生は、受験期から研究内容について言語化できるよう深掘りを行っているため、簡単に論文を書き始めることが出来るのです。

 ちなみに私の場合は専門学校卒業の時点で卒論を1本書き上げるのが必修だったので(今考えると相当大変だった)、もう完成しています。編入してからはこの卒論に大学での学びを付け足す程度でも本格的なものに仕上がるので、誰よりも早く書き終える予定です。

 つまり、この強みを活かして、最終学年を論文提出に追われることなく有意義に過ごすことが出来るのです!


就職活動で活きる

 就活の面接の際に、「キミ、編入しているんだね」と詳しく聞かれることが多いです。理由としては、珍しいキャリアだからという点と、一般入試で大学に進学するのもすごいことなのですが、編入学はそれ以上に長い時間をかけて志望校に合格しているので、学びの質が大きく変わる点です。必ずガクチカ(学生時代に頑張ったこと)として自信を持ってアピールすることができます。

 さらに、就職活動の時に求められる「自己分析」や「企業研究」のための能力も、実は編入学試験の時点で身についているのです。

 自己分析は、自分がどういう人間で、今後どういったキャリアを目指していきたいかを言語化することです。これは、編入学においては自分がどういった学問分野に興味があって、志望する大学に合格したあかつきにはどういった勉強・研究がしたいかを理解することと一致します。

 企業研究は、自分が興味を持っている業界や職種を知り、競合他社を調べ、なぜ他ではなくこの会社を選んだのかといったことを具体化することです。こちらは、なぜ今の学校ではなくこの大学に編入したいのか、他に多くの大学がある中でどうしてここなのかを早いうちから深掘りした経験を持つ編入生が就活の面接において非常に強いです。


編入試験の大変なところ

必修授業と受験勉強の両立

 もともと在籍している学校で2年分の授業やカリキュラムを修了した状態で卒業や中退が確定していなければ、たとえ入試に合格していても入学することが出来ません。受験勉強がしたいのに、必修授業の課題が山積み!ということも多々あります。

 私は一時、面接・志望理由書対策+独学でスペイン語の勉強+専門学校での必修科目の勉強+アルバイト+外部で学生団体の活動をしていたため、時間のやりくりを少しでも間違えてしまうと全てが回らなくなってしまうこともありました。自分のキャパシティを知ることも大切です…。


入学後も時間割がパンパン

 大学生=3年生くらいから徐々に授業のコマ数が減って、自由な時間が増える!というイメージはありませんか?一般にはそうなのですが、編入生は例外にあたるかもしれないです…。

 やはり途中から入学したこともあり、もともといた学校で取得した科目と進学先の学校の必修科目の内容が大きく異なる場合は、新たに単位をとる必要があります。とはいえ、単位認定システムの存在があるので、もとの学校の単位が進学先の必修単位に反映されることにより、絶望的に単位にもがき苦しむことはないと思います。せっかく念願の大学に入学したのだから、興味のある授業を履修することでモチベーションを上げることにしましょう!

 ちなみに私の時は、周りの3年生には週に2~3日全休があったのにもかかわらず自分は毎日授業を受けていました…。


編入後、新卒で就職活動を始めると相当忙しい

 新しい学校に慣れる時間もままならず、入学したその年の夏にはさっそく企業説明会、長期インターン、早期選考などなど

 編入後2年間で卒業となると、結構バタバタしながら就職活動をすることになります。私の周りは、編入後に1年休学して留学したり、興味のある分野を学んだりする人もいましたが、私はどうしても新卒で就職したかったので、大忙しになるのを覚悟して3年生の10月頃から就活を始めました。実際やってみて感じたのは、始めの「大学にも就活にも慣れていない時期」が1番忙しく、4年生に上がってからは大学の勝手もわかるようになってきたので時間割の調整も含め楽になった気がしています。


大学進学に行き詰った時の味方

 ここまで魅力を伝えてきましたが、高校生の早いうちから編入学の道を決める必要はありません。今1番行きたい大学に向けて一般入試や推薦・AO入試などの聞き慣れた入試形式で最大限の力を出せるよう対策・勉強することが最も重要であると私は考えています。

 なぜなら、編入学は非常に狭き門であるからです。ただ、編入試験は今までの学力や経験を踏まえ、将来的に可能性のある学生を積極的に受け入れてくれる、「自分という人間」を見られる入試形式です。すべての進路と比較する際の参考としてこの記事が役に立てばいいなと思っています。


 全体的に、編入生は忙しいといったイメージがあります。しかし、それだけ大学で学ぶ目的や今後のキャリアに対する意識が非常に高いため、ちょっとのことではブレない精神があると言えます!
 周りにいる編入仲間を見てみると、全体の傾向として受験に一点集中というよりは、今までの人生経験や学外での活動や成果を活かしたことで念願の大学に進学している人が多いです。

 「なんのために大学に行くんだろう」「4年間の大学生活を無駄にしたくない!」そんな思いがある人に向いている入試です。行き詰った時に味方になる、このような進学の仕方もあるのだと覚えておいてくださいね!

ゆうき

ゆうき

東京外国語大学 言語文化学部 スペイン語専攻

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