今、アメリカ・カリフォルニアに留学中で、毎日「日本とアメリカの違い」を肌で感じながら生活しています。
そんな生活の中で意外と大きなテーマになるのが「買い物」。食費や家賃だけでなく、服や日用品にかかる出費もなかなか大きくて、留学生にとっては頭を悩ませるポイントです。
でも一方で、アメリカには日本にはない「お得に買える仕組み」や「カルチャーと一緒に楽しめる買い物の場」がたくさんあるんです。
この記事では、私が実際に足を運んでみて感じたアメリカのショッピングスポットを、節約視点+カルチャー体験の両面から紹介します。
目次
アメリカ生活=とにかくお金がかかる!
アメリカに来て最初に痛感したのは、とにかく物価が高いということでした。
牛乳1本が6ドル以上、外食するとチップ込みでランチでも20ドルを軽く超える。日用品も日本のドラッグストアで買えるような価格帯では手に入らず、シャンプーやスキンケアは「この値段なら日本で倍は買えるのに」とつい考えてしまうこともあります。
そして意外な盲点は「気軽に買える安定価格のお店が少ない」ということ。日本ならユニクロやGU、無印良品のように「そこに行けばそれなりの値段でちゃんとしたものが買える」お店が全国にあります。
でもアメリカにはその感覚があまりなく、普通のモールで服を買おうとすると、ちょっとしたTシャツでも30ドル以上したりします。
そんなときに現地の友達に教えてもらったのが、RossやMarshalls、Goodwillのような「格安で買えるお店」。最初は「安いってことは質が悪いんじゃないの?」と半信半疑でしたが、実際に行ってみてびっくり。
ブランド品やかわいい雑貨が信じられない値段で売られていて、「ここを知っているかどうかで生活のクオリティが全然違う」と感じました。
Ross Dress for Less

Rossでは、百貨店やブランドショップの売れ残り商品、シーズン落ち、在庫過剰分を安く仕入れて販売しています。
店内に入るとまず驚くのが、その雑多な雰囲気。ラックにはサイズ違い・ブランド違いの商品がぎゅうぎゅうに詰め込まれています。床に商品が落ちていたり、ハンガーがバラバラになっていたりすることもあり、初めて訪れると「倉庫セール?」と思ってしまうほど。
友達は、棚の隅で見つけたMichael Korsのバッグを40ドルでゲット。定価は100ドル以上だったので、その場で小さなガッツポーズをしていました。
Rossの魅力は、なんといってもその安さ。目安としては以下の通りです。
- Tシャツ:$8〜15(ブランドによっては$5以下も)
- デニムパンツ:$15〜25(Levi’sが$20台で買えることも)
- スニーカー(NIKE, Adidas, Pumaなど):$30〜50
- ブランドバッグ(Michael Kors, Calvin Klein, Guessなど):$40〜70
- ドレス・フォーマルウェア:$30〜80
- インテリア雑貨(シーツ、タオル、キッチン用品など):$10〜30
私は、NIKEのランニングシューズを$35で購入しました。日本で同じモデルを買おうとすると1万円以上するものだったので、見つけた瞬間「本当にこの値段でいいの?」と3回くらい値札を確認しました。ほかにも、友達がRossで買ったCalvin Kleinのリュックは$45。日本の百貨店なら倍以上するはずなので、まさにお得感満載でした。
使いこなすコツ
Rossは安い分、少しコツを知っていると満足度がぐっと上がります。
開店直後を狙う
朝一番は商品が整理されていて掘り出し物も多いです。逆に夕方は棚が荒れて良いものが減っていることが多いので、できれば午前中に行くのがおすすめです。
立地によって品揃えが違う
都市部や観光地のRossは競争率が高く、人気商品はすぐなくなります。郊外や住宅街のRossは人が少なく、意外と掘り出し物が残っていることが多いです。
サイズと状態を必ず確認
人気サイズはすぐ売り切れるため、合うものを見つけたら即決が基本。また、在庫処分品なので小さな傷や汚れがあることもあります。必ず試着・確認をしましょう。
一点物は即決が鉄則
Rossの商品は基本的に一点物。後で戻っても同じものに再会できる確率は低いです。「いいな」と思ったら迷わず買うことが成功の秘訣です。
Marshalls
Rossと同じ「オフプライスストア」ですが、Rossよりも店内が整頓されていて、落ち着いて買い物ができるのが特徴。
魅力は、ファッションだけでなく生活雑貨やコスメ、インテリアの品揃えがとても豊富なこと。
- Tシャツ・トップス:$10〜20
- デニム・パンツ:$20〜30
- スニーカー・シューズ:$35〜60(NIKEやAdidasもあり)
- ブランドバッグ(Calvin Klein, Michael Kors, Kate Spadeなど):$50〜100
- コスメ・スキンケア:$5〜20(日本未発売ブランドに出会えることも)
- インテリア雑貨・キッチン用品:$10〜40
私はMarshallsでCalvin Kleinのトートバッグを60ドルで購入しました。定価は150ドル以上だったので、かなりお得。
コスメコーナーもおすすめ。Urban DecayやToo Facedといった海外コスメブランドが半額以下で売られていることがあり、友達へのお土産にも喜ばれました。Rossにはあまりない「美容系の充実度」がMarshallsの魅力のひとつです。
TJ Maxx
TJ Maxxはファッション・雑貨・インテリア・食品まで揃う「総合ディスカウントストア」です。基本の価格帯はMarshallsと近いですが、店舗によっては「The Runway」と呼ばれるハイブランド専用コーナーがあり、そこではGucciやBurberryといった高級ブランドに出会えることも。
- Tシャツ・カジュアルウェア:$10〜20
- デニム・パンツ:$20〜40
- スニーカー・靴:$35〜70
- ブランドバッグ(Michael Kors, Kate Spade, Tory Burchなど):$70〜150
- ハイブランド(Gucci, Burberry, Marc Jacobsなど):数百ドルで登場することも
- コスメ・スキンケア:$5〜30(SephoraやUltaで見かけるブランドも)
- インテリア・食品:オーガニックフードや高級チョコが並ぶことも
私が一番驚いたのは、Gucciの財布を$200以下で見つけたとき。もちろん一点物なので即売れでしたが、定価では到底手が届かないようなブランドが並んでいるのを見て、「アメリカのディスカウント文化すごい…!」と実感しました。
私が特に印象に残っているのは、友達と一緒に行ったとき。
偶然Burberryのマフラーを発見して、定価の半額以下で購入しました。値段は$200近くとRossよりは高めですが、品質やデザインは一目で「買いだ!」と思えるものでした。
友達はコスメコーナーでAnastasia Beverly Hillsのアイシャドウパレットを$25で購入。アメリカのセフォラなら倍以上の値段がついている商品だったので、まさに「お得感+満足感」のある買い物体験でした。
使いこなすコツ
ラグジュアリーコーナーをチェック
大きな店舗には「The Runway」と呼ばれる高級ブランド専用コーナーがあります。Gucci、Marc Jacobs、Burberryといったブランドが格安で並んでいることも。狙い目は都市部や郊外の大型店舗。
Marshallsとハシゴすると効率的
同じグループですが品揃えは微妙に異なります。特にバッグやコスメは比較すると面白いです。私はよく「Marshallsで見やすくチェック → TJ Maxxでブランド狙い」というルートで回っています。
食品コーナーは意外な穴場
高級チョコやオーガニック食品が安く買えます。私は日本に帰国する前にここでお土産用のチョコレートや紅茶をまとめ買いしました。
Goodwill
Goodwillでは地域の人々から寄付された衣服や家具、雑貨などを販売し、その収益を障がい者や失業者の就労支援プログラム、職業訓練に使っています。つまり、買い物をすること自体がそのまま社会貢献につながる仕組み。
店内は、すべて寄付された中古品で、点物ばかり。壁一面に古着がずらっと並び、家具コーナーにはソファやテーブルが所狭しと置かれています。
最初に入ったときは正直、「リサイクルショップってこんなに大きいんだ!」と驚きました。
Goodwillの魅力はやはりその圧倒的な安さ。
- Tシャツ:$2〜5
- デニム・ジャケット:$7〜15
- 靴:$10前後
- バッグ:$5〜15
- 家具(ソファ、テーブルなど):$20〜50
- 雑貨(食器、ランプなど):$1〜10
私はここで7ドルのデニムジャケットを買いました。古着ならではの色落ちが逆におしゃれで、学校に着ていったら友達に「どこで買ったの?」と聞かれたほど。
私の友達は、たった5ドルでAdidasのスニーカーを見つけて大喜びしていました。また、別の友達は家具コーナーで50ドルのソファを購入。少し使い込まれていましたが、学生アパートのリビングには十分でした。
メルローズの古着屋街
お気に入りの古着屋「Jet Rag Vintage」
メルローズにある古着屋の中でも特に人気なのが Jet Rag Vintage。外観からして倉庫のように大きく、店内には所狭しと古着が並んでいます。扱っているのは70年代〜90年代のアメリカンビンテージが中心で、デニムやレザージャケット、バンドTシャツなど「これぞアメリカ古着!」というアイテムに出会える場所です。
有名なのが 毎週日曜の「$1セール」。駐車場いっぱいに洋服を山積みにして、なんとすべて1ドルで売られるんです。地元の学生や観光客が朝早くから集まり、宝探しのように服を掘り出していく光景は圧巻。私も一度参加しましたが、すごい熱気で、戦利品を見つけたときの喜びは格別でした。
普段の価格帯もTシャツ$15〜、ジャケット$40〜と手頃で、掘り出し物に出会える可能性が高いお店。私はここで90年代のアメリカ大学ロゴ入りパーカーを20ドルで購入しました。色褪せ具合が絶妙で、今もお気に入りの一着です。

メルローズの古着屋は、「観光地価格」に近い部分があります。
- Tシャツ:$15〜40
- スウェット・パーカー:$20〜60
- ジャケット・アウター:$40〜150
- スニーカー:$60〜200
「LAカルチャーを纏う一点物」を買えるという意味では唯一無二。
日本で買うとビンテージ扱いで1万円以上しそうなスウェットが、メルローズでは$30程度で手に入ることもありました。
フリーマーケット
有名なのが Melrose Trading Post。毎週日曜日にフェアファックス高校のキャンパスで開かれるこのフリマは、ローカルの人から観光客まで幅広く集まる一大イベントです。数百のブースが並び、古着や雑貨だけでなく、アート作品やハンドメイドアクセサリー、インテリア、さらには植物まで売られています。
フリーマーケットの魅力はとにかく「ジャンルの幅広さ」。
- 古着:ヴィンテージTシャツやスウェット、デニム($10〜$50)
- アクセサリー:学生や若手アーティストによる手作りのリングやピアス($5〜$30)
- インテリア雑貨:アンティークのランプ、アートフレーム、レコードプレーヤー($10〜$100)
- アート作品:油絵や写真、シルクスクリーンのポスター($20〜数百ドル)
- フード・植物:フードトラックのコーヒーやメキシカン料理、多肉植物や観葉植物など
私は、90年代の映画Tシャツを$20で購入。少し色褪せた感じが逆に味になっていて、「これこそ古着の魅力だな」と思いました。友達は地元アーティストが作ったポスターを$40で買っていて、部屋の壁に飾ったら一気におしゃれ空間に変身していました。
アメリカのフリーマーケットでは、値段交渉はごく自然な日常の一部です。お店で値切るのは日本では少し気まずい雰囲気がありますが、こちらではむしろ「交渉してみるのが当たり前」。
20ドルと値札がついているTシャツを見つけたら、「Can you do $15 instead of $20?(20ドルを15ドルにしてもらえますか?)」と軽く聞いてみるのは普通のこと。相手が「Sure!(いいよ!)」と笑顔で答えてくれることも多く、交渉そのものが会話のきっかけになります。
私が印象に残っているのは、ある大学生が出店していたポスターを買ったときのこと。値段交渉はせずに「気に入ったから買うね」と伝えたら、とても喜んでくれて、そこから作品のコンセプトについて熱心に説明してくれました。デザインに込めたメッセージや制作のプロセスを聞きながら、「アメリカの学生はこういう視点で表現するんだ」と学べたのは、教室の授業以上にリアルな経験でした。
注意ポイント
試着室やレジの混雑は覚悟を
RossやMarshallsは安さゆえに常に人であふれています。特に週末や夕方は試着室が大行列になるのが当たり前。私も一度、ジャケットを試着しようと並んだら30分以上待つことになり、結局その日は諦めました。
フリマの支払い方法に注意
フリーマーケットはブースごとに運営者が異なるため、支払い方法もバラバラです。まだまだ「現金オンリー」の出店者も多いのが現実です。
実際、私は一度「これ欲しい!」と思った古着を見つけたのに、現金を持っていなくて買えなかったことがあります。出店者も「ごめんね、キャッシュしかダメなんだ」と苦笑いしていました。それ以来、$1や$5札を数枚財布に入れて行くようにしています。交渉するときも小額紙幣のほうが使いやすく、「じゃあ$15でいいよ」とスムーズに値段が決まることが多いです。
高校生のみなさんへ
大学に進学したり、留学や旅行で海外に出たりしたときに、「何気ない日常の体験」が一番の思い出になることがあります。
私にとっては、それがショッピングでした。フリーマーケットで勇気を出して交渉したこと、Rossで偶然掘り出し物を見つけたこと、Goodwillで社会貢献につながる買い物をしたこと。それぞれは小さな出来事ですが、留学生活の中で強く心に残っています。
だから、将来アメリカに来たときには「高いからやめとこう」ではなく、「せっかくだから覗いてみよう」という気持ちを大切にしてほしいです。その一歩が、思いがけない出会いや学びにつながり、気づけばあなたの人生を豊かにしているはずです。小さな冒険が大きな思い出に変わる——それがアメリカでのショッピングの醍醐味です!