私は今、カリフォルニア大学アーバイン校(UCI)に留学していて、毎日英語で授業を受けたり、海外の友達と一緒に課題に取り組んだりと、日本にいたときには想像できなかった日々を送っています。
今回向かったのは、サンフランシスコ。
金曜の夕方に出発し、日曜の夜に帰るという2泊3日の短い週末旅行。
ロサンゼルスからたった1時間のフライトなのに、街並みも文化も人の雰囲気もガラリと違う。
それでも、実際に歩いてみると一瞬一瞬が濃く、ただの観光を超えて「ここにしかない空気」を全身で味わえた時間になりました。
目次
ゴールデンゲートブリッジ
まず一番最初に向かったのがゴールデンゲートブリッジ。言わずと知れた街の象徴であり、世界中から観光客が訪れる名所。
私自身も「サンフランシスコといえば真っ赤な橋!」というイメージが強かったので、迷わず旅のスタート地点に選びました。
実際に目にした瞬間、思わず息をのむほどの迫力がありました。写真や映像で何度も見てきたはずなのに、実物は全く別物。
歩行者用レーンを歩き始めると、最初に驚くのは風の強さです。髪の毛は乱れ、耳元で常に風の音が響きます。車が絶え間なく行き交い、その走行音と風の音が混ざって「街の鼓動」のようなリズムを生み出していました。
正直、少し怖いくらいでした。橋の真ん中に差し掛かると、下を見れば広大な海峡、横には容赦ない潮風。スマホで写真を撮る手が震えるほどでした。
私は昼と夕方の2回訪れました。
昼間は青空の下、赤い橋がくっきりと映えて、爽快そのもの。太陽に照らされて輝く姿は、まさにポストカードで見た「サンフランシスコのイメージ」そのままで、観光客が皆、同じアングルで夢中になってシャッターを切っていました。
一方、夕方になると景色は一変します。霧が海からゆっくりと流れ込み、橋の塔が少しずつ霞んでいく。そこに夕陽のオレンジ色が重なり、橋全体が幻想的なベールをまとったように輝きます。赤い橋がシルエットになって浮かび上がる瞬間は、言葉では表せないほど美しく、まさに時間が止まったようでした。
実際に行って感じたのは、とにかく「寒さ」と「風対策」が必須だということ。ロサンゼルス感覚でTシャツ一枚で来ていたら確実に凍えていたと思います。私は事前に友達から「夏でも寒いから必ずジャケットを持っていくこと」と言われていたので助かりました。
フィッシャーマンズワーフ・Pier 39
サンフランシスコ湾沿いの観光地といえば、やっぱりフィッシャーマンズワーフ。その中でも特に有名で人気なのが Pier 39(ピア39) です。名前の通り39番目の埠頭にある商業施設で、観光客のほとんどが必ず一度は訪れるスポット。
桟橋に入るとカラフルな看板や旗が並び、ストリートミュージシャンのギターやサックスの音が響き、子どもたちの笑い声が飛び交っています。
海風に乗ってシーフードを焼く香りが漂い、レストランからは「クラムチャウダーいかが?」と声がかかる。エンタメと食と海がぎゅっと混ざり合っていて、まるで街全体がテーマパークのよう。
そして何といっても アシカ。
「本当に野生?」と疑うくらい、堂々と桟橋を占領している姿に圧倒されました。匂いは確かに強烈ですが(笑)
私も気づけば10分以上見入ってしまい、子どもたちは大喜びで「見て見て!」と指差し、大人もスマホやカメラを構え続けていました。
そして絶対に外せないのが クラムチャウダー入りサワードウブレッドボウル。その代表格といえば、やっぱり Boudin(ブーディン)ベーカリー。
私ももちろんここでブレッドボウルを注文。寒い海風の中で食べる熱々のクラムチャウダーは格別でした。
そして最後のお楽しみは器になったパン。外側は香ばしくカリッと、中はふわふわで、スープが染み込んでしっとりした部分をちぎって食べる瞬間がたまらない幸せでした。
友達と食べ比べもしてみたのですが、やっぱりBoudinは「王道の味」。ガーリックやスパイスを効かせて個性を出す店も多い中、Boudinのクラムチャウダーはとにかくバランスが良く、老舗らしい安心感がありました。

アルカトラズ島
かつて「アメリカで最も脱出不可能な刑務所」として知られており、現在は世界中から観光客が集まる人気スポットです。
島に到着すると、まずスタッフの方から簡単な説明があります。「ここは単なる観光施設ではなく、アメリカの歴史を語る上で重要な場所です」という言葉を聞いたとき、ただのアトラクション感覚で来てはいけないと気が引き締まりました。
見学のハイライトはやはりセルハウス(監獄棟)です。音声ガイドに従って進んでいく形式で、英語だけでなく多言語に対応しています。
ガイドでは当時の看守や囚人の証言がそのまま流れます。「この廊下を歩くと足音が反響して恐怖を感じた」「夜になると窓の外からサンフランシスコの街の音楽が聞こえてきた」――そんな言葉を聞きながら、実際に同じ廊下を歩くと不思議な臨場感がありました。
独房はわずか幅1.5mほど、ベッドとトイレ、机しかありません。鉄格子越しに外を見てもほとんど景色はなく、息が詰まるような閉塞感。鉄格子に触れるとひんやりと冷たく、思わず背筋がゾクッとしました。
アルカトラズ島観光は、思った以上に時間がかかります。フェリーの往復や島内の移動を含めると最低でも3時間半~4時間は必要です。予定を詰め込みすぎると大変なので、午前の便で行くのがおすすめ。午後の予定を自由に組めるので安心です。
何より重要なのはチケット予約。特に夏や休日は数週間前から完売することも珍しくありません。
ペインテッド・レディース
ペインテッド・レディースが立ち並ぶのは、アルamoスクエア・パークという芝生の広がる小高い公園の前。坂道を登って公園の頂上に着くと、視界の先にカラフルな家々がまるでおとぎ話の挿絵のように並んでいるのが見えます。
芝生に座ると、目の前に広がるのは観光客でいっぱいの光景。
中には『フルハウス』風にお弁当を広げて撮影しているグループもいて、思わずこちらまで微笑んでしまうほど。私も友達と一緒に何度もポーズを変えながら写真を撮り、「あのオープニングのワンシーンと同じ景色だ!」と大はしゃぎしました。

市内中心部からバスで簡単にアクセスできます。坂の多い街なので、歩きやすい靴で行くのがおすすめ。観光客が多い時間帯は昼〜夕方にかけてですが、その分にぎやかで「サンフランシスコらしい雰囲気」を味わえます。逆に静かに写真を撮りたいなら朝早い時間が狙い目。
また、夕暮れ時は特におすすめです。西に沈む夕陽がカラフルな外壁に反射して、一層あたたかみのある色合いに変わります。
チャイナタウン
最も“異国感”を強く味わえるのが チャイナタウン。
入口の門をくぐると、空気が一変します。漢字の看板が両側にびっしりと並び、赤い提灯が頭上を連なって飾られ、聞こえてくるのは英語よりも中国語。
通りを歩くと、八百屋の店先には見慣れない野菜や果物が山のように積まれていました。五感すべてで「異国」を体験している感覚で、歩くだけで旅行先が一気に中国へワープしたような気分でした。
チャイナタウンの最大の魅力は、やはり食。
私は友達と小さな点心専門店に入り、蒸籠に並んだ小籠包やシュウマイ、春巻きを注文。湯気の立ち上る小籠包を頬張った瞬間、海風で冷えた体が一気に温まりました。
周囲の会話はほとんどが中国語で、店員さんのやり取りもすべて中国語。別の国に迷い込んだようで、言語の響きや料理の香り、熱気に包まれて、本当に海外旅行を二重にしている気分でした。
ショッピングも魅力的です。漢方薬局では日本では見かけない薬草や乾物が並び、お茶の専門店ではウーロン茶やジャスミン茶を試飲しながら選ぶことができます。
私は友達とお揃いで中国茶を購入。宿泊先に帰って飲んだとき、ほんのり香ばしい香りが漂って、チャイナタウンを歩いたときの光景や賑やかさが一気に蘇りました。
宿泊&移動
ホテル
今回、ダウンタウンに近いホテルに宿泊しました。観光スポットへのアクセスがしやすいのが決め手でした。
一方で、サンフランシスコは地域によって雰囲気がかなり異なります。例えば、ユニオンスクエア周辺は観光客に便利ですが、夜になると治安が悪化することもあり、ホームレスの人が多いエリアもあります。
移動手段
Uber
ホテルから観光地へ行くときや夜の移動ではよく使いました。坂の多い街なので、目的地によっては徒歩よりずっと楽。料金はやや高めですが、時間を節約できるので限られた旅の日程では大きな味方
BART(電車)
ベイエリアを結ぶ高速鉄道で、空港から市内に出るときに便利。観光地同士を巡るにはそこまで使いやすくなく、治安面で不安を感じる駅もありました。夜遅くは避けた方が安心です。
徒歩
坂道は大変ですが、その分だけ予想外の絶景に出会えます。ケーブルカーやバスを組み合わせながら、徒歩で街を楽しむのがおすすめです。
ケーブルカーや路面電車(MUNI)
観光気分を味わいながら移動できる手段。ケーブルカーは混雑しますが、乗ること自体が体験になるので一度は試す価値があります。
費用感
食事代
値段はやはり高め。
レストランで普通に食事をすると 1人あたり20〜30ドル(チップ込みで25〜40ドル程度) が一般的。観光地で名物のクラムチャウダー入りサワードウブレッドボウルを食べたときも、ドリンクを付けて約15ドル。
一方で、中華街の点心やファストフードを利用すると 10ドル前後 でお腹いっぱい食べられるので、節約派の強い味方です。スーパーでサラダやサンドイッチを買って公園で食べるのも、景色を楽しみながらコスパよく食事ができる方法でした。
観光費
- アルカトラズ島フェリー+ツアー:大人 40ドル前後
- ケーブルカー:片道 8ドル(※1日パス 13ドル)
- 美術館・博物館:15〜25ドル程度
- その他ちょっとした入場料やアトラクション:10〜20ドル
こうして並べると高く感じますが、サンフランシスコの魅力は「街そのものが観光地」であること。坂道を歩いたり、公園やビューポイントから景色を眺めたりするだけでも十分楽しめるので、有料スポットは厳選して訪れるのがおすすめです。
宿泊代
サンフランシスコのホテルはトップクラスに高額で、1泊150〜250ドルが相場です。私は今回はホテルに泊まりましたが、清潔感と立地を考えると「高いけれど安心感はある」という印象でした。
学生やバックパッカーに人気なのはホステルやAirbnb。ホステルならドミトリータイプで 1泊40〜70ドル程度、Airbnbもエリアによりますが 1泊80〜120ドル前後 で見つかることがあります。安全性と快適さを天秤にかけて選ぶのがポイントだと思いました。
節約ポイント
ケーブルカーは1日パスを活用
往復16ドル。1日パスなら13ドルで乗り放題。2回以上乗るなら断然お得です。観光客はつい片道ずつ払ってしまいがちですが、事前にパスを買うのがおすすめ。
食事はシェア
アメリカの料理はとにかく量が多い!一皿を2人でシェアすれば、節約になるだけでなく色々なメニューを楽しめます。Pier39でクラムチャウダーを食べたときも友達とシェアして大正解でした。
無料スポットを楽しむ
ゴールデンゲートブリッジ、ロンバードストリート、ペインテッドレディース、フィッシャーマンズワーフ…有名どころのほとんどは無料で楽しめます。写真を撮ったり散策したりするだけで十分「サンフランシスコに来た!」という満足感があります。
昼は外食、夜は軽食
ランチで名物料理をしっかり楽しみ、夜はスーパーやカフェで軽めに済ませるスタイルだとメリハリがつきます。
徒歩+Uberの併用
坂道はきついですが、徒歩でしか味わえない景色もあります。どうしても距離があるときや夜はUberを利用。こうやって「歩けるところは歩く」と決めるだけでも、交通費を抑えられました。
失敗談
ちょっと怖い思いをした場所
夕方にホテルへ戻る途中、少し裏道に入っただけで雰囲気がガラッと変わり、路上に寝ている人や大声で叫んでいる人が目に入りました。
日本の感覚だと「観光地=安心」ですが、サンフランシスコでは油断は禁物。
「明るく人通りのある道を選ぶ」「夜はできるだけUberを使う」など、行動の工夫が必要だと痛感しました。
思ったより寒かった
友達から「サンフランシスコは夏でも寒いよ」と何度も言われていたのですが、ロサンゼルスでの生活に慣れていた私は「大げさなんじゃないかな?」と半信半疑で出発しました。結果、到着してすぐにその油断を後悔することに。
昼間は太陽が出ていて暖かかったのに、夕方になると一気に冷たい海風が吹きつけ、体感温度は10℃台まで下がったのです。観光に夢中で外に長時間いると、あっという間に体が冷えて震えてしまいました。幸いジャケットを持っていたので助かりましたが、もし持っていなかったら観光どころではなかったと思います。
行ってみたら観光客だらけだったスポット
S代表的なのが Pier 39。写真ではのんびりとした桟橋にアシカが寝そべっている風景をイメージしていたのですが、実際は人、人、人…。お土産ショップやレストランの前は大混雑で、人気のクラムチャウダー店は長蛇の列。
おわりに
名所を巡るだけでも十分楽しめる街ですが、それ以上に「街全体の空気」に触れることで何倍も特別な体験になります。坂道を登るたびに出会える絶景、霧が作り出す幻想的な風景、多様性を尊重する人々の自由な暮らし――それらすべてが、この街を唯一無二にしています。
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