大学生活が目前に迫った皆さんの中には、「社会人になる前に何を準備しておけばいいんだろう?」と考える人も多いと思います。
僕自身、4年生になって就活を終えた今、「学生のうちにやっておいてよかった」と感じるのが、資格の勉強とスキルの習得です。
特に、TOEICやITパスポートなどの資格勉強は、就活で役立つだけでなく、社会人になってからの業務理解にも直結します。
また、ExcelやPowerPointといったOfficeスキルは、どんな業界でも必須。早いうちから触って慣れておくと、仕事を始めてからの吸収スピードがまったく違います。
さらに僕の場合は、Webライティング(SEO)の勉強や長期インターンの経験も、自分の強みになりました。文章を書く力だけでなく、情報を整理して伝える力や、マーケティング思考を身につけることができたのです。
この記事では、そんな僕が大学のうちにやってよかった資格・スキルを、実際の勉強法や体験談とともに紹介します。
これから社会人を目指すみなさんにとって、少しでも参考になればうれしいです。
なぜ今、資格やスキルを身につけるべきなのか
社会人になると、仕事に追われて「自分の勉強時間」を確保するのが難しくなります。
だからこそ、今のうちに資格やスキルを身につけておくことが、社会に出てからの大きなアドバンテージになるのです。
社会人になると、勉強の時間が圧倒的に減る
大学生のうちは、自分でスケジュールを調整できます。僕も1日2〜3時間ほど資格勉強にあてられていました。
けれど社会人になると、家に帰ると疲れて、勉強する気力が残っていないという話を多く聞きます。
先輩社会人からも「学生時代にもう少し勉強しておけばよかった」と聞くことが本当に多いです。
資格試験は一度に何十時間もの勉強が必要になるものが多いので、まとまった時間を確保しやすい大学生のうちに始めるのが一番効率的なんです。
たとえばITパスポートなら2~3か月、TOEICでスコアを100点上げるには3か月ほどが目安。「時間がある=最大の武器」だと気づくのは、勉強を始めてみてからでした。
就活では努力を形にした証拠になる
資格は「努力を継続できる人」という証明にもなります。
たとえば履歴書に「TOEIC 700点」と書いてあるだけで、「計画的に勉強を続けられるタイプなんだな」と面接官に伝わります。
資格を取る過程で学んだ姿勢や工夫を話せるのも、大きな強みです。
また、業界ごとに求められる資格は異なります。
IT業界なら「ITパスポート」や「基本情報技術者試験」、コンサル業界なら「TOEIC 750点以上」や「簿記」、金融なら「FP」や「証券外務員」などが目安です。
もし将来やりたい仕事がまだ決まっていないなら、「まずは幅広く通用する資格」から始めてみるのがおすすめです。
学んだ知識が働くときの土台になる
資格を取ることの本当の価値は、「使える知識が増えること」にあります。
ITパスポートを勉強していると、「クラウド」「セキュリティ」「データベース」など、仕事で必ず出てくる言葉を自然に理解できるようになります。
Excelを学ぶと、数字を整理したり、売上をまとめたりする作業がスムーズにできます。
僕自身、サークルの会計を担当していたとき、Excelを使って予算管理や支出表を作るようにしたら、一気に効率が上がりました。
ただ資格を取るだけでなく、日常生活の中で“実際に使ってみる”ことで本当のスキルになると感じました。
また、社会人になると、上司や取引先とやり取りをする中で「報告書」「企画書」「プレゼン資料」などをつくる機会が増えます。
WordやPowerPointを触っておくだけでも、スタート地点が全く違います。
社会人になる前に取ってよかった資格
TOEIC
英語力を客観的に証明できる資格といえばTOEIC(トーイック)です。
就活でも「英語はどのくらいできますか?」と聞かれることが多く、スコアが一つの目安になります。
たとえば
- IT業界:650点以上あれば十分評価される
- コンサル業界:750点以上が一つの目安
- 商社や外資系企業:800点以上が理想
といったように、業界によって求められるレベルは変わります。
僕が志望しているIT業界では650点前後が一つのラインとされており、大学3年の終わりごろに受験してこのスコアを達成しました。
TOEICの勉強法
最初のうちは単語帳と公式問題集を使い、毎日少しずつリスニング練習をしました。
特におすすめなのが、通学時間や休み時間にアプリで耳を慣らすことです。
僕は「スタディサプリENGLISH」を使って、1日30分ほどリスニングと文法問題を解いていました。
また、TOEICでは「文法を完璧にする」よりも、「素早く英文を読み取る練習」を重視するのがポイントです。実際に試験時間がかなりタイトなので、時間配分に慣れておくことがスコアアップのカギになります。
受けてよかった理由
英語を使う仕事に就く予定がなくても、TOEICを通して得られるのは言語力だけではありません。
集中力・読解力・リスニング力といった総合的なスキルが鍛えられ、結果的に他の勉強にも良い影響が出ると感じました。
ITパスポート ― ビジネス×ITの基礎を学べる国家資格
情報処理技術者試験の中でも最も入門的な国家資格です。
名前に「IT」とついていますが、実際にはIT業界限定の資格ではなく、あらゆる職種で役立つ内容になっています。
試験では、「AI・データ分析・セキュリティ」など最新技術の知識だけでなく、「経営戦略」や「会計・マーケティング」といったビジネス分野の内容も出題されます。
つまり、ITとビジネスの橋渡しとなる知識を身につけられる資格です。
僕も大学4年の夏ごろに勉強を始め、2か月ほどで合格しました。
勉強法
基本的には「テキスト+過去問道場」で十分です。
おすすめは「いちばんやさしいITパスポート」シリーズなど、図やイラストが多い入門書。
1周読んだら、あとはひたすら過去問を解いて、間違えた部分を繰り返すだけで合格ラインに届きます。
また、スマホで手軽に学べる「ITパスポート全問解説」という無料サイトもとても便利です。
スキマ時間で問題演習ができ、通学中にコツコツ進めるのがおすすめです。
受けてよかった理由
仕事の中で使われる「システム」「クラウド」「データベース」などの意味が分かるようになり、IT業界のニュースを読んだときに内容がスッと入ってくるようになりました。
社会に出てからも、こうした基本知識があるだけで会話の理解度がまったく違います。
「文系でもITを理解できるようになった」と感じられるのが、この資格の一番の魅力です。
基本情報技術者試験 ― 現在勉強中の次のステップ
今まさに僕が取り組んでいるのが、基本情報技術者試験です。
これはITパスポートの上位資格にあたり、より専門的な知識が問われる国家試験です。
内容としては、プログラミングの基礎、ネットワークの仕組み、データベース設計、アルゴリズムなど、IT業界で働く上で必要なスキルが幅広く出題されます。
最初にテキストを開いたときは「数学っぽい要素が多くて難しいな…」と感じましたが、少しずつ問題を解くうちに仕組みを理解できるようになってきました。
勉強法(実践中)
僕は今、ITパスポートの知識をベースに「過去問道場」と「YouTube講座」を併用して学んでいます。
特に動画講座は、専門用語を図解で理解できるので非常にわかりやすいです。

友人と一緒に勉強することでモチベーションを保ちやすく、「1日1時間は必ず勉強する」と決めて習慣化しています。
学んでみて感じること
基本情報技術者試験の勉強を通じて、「普段何気なく使っているスマホやアプリがどう動いているのか」を理解できるようになりました。
仕組みを知ることで、IT業界での仕事がより身近に感じられ、社会人になる準備としてとても有意義だと感じています。
今はまだ勉強の途中ですが、社会人1年目を迎える前に合格を目指して頑張っているところです。
社会人前に身につけておきたいスキル
資格の勉強と同じくらい大切なのが、「実際に仕事で使えるスキル」を身につけておくことです。
社会人になると、どんな職種でも基礎スキルが求められます。
Office(Word・Excel・PowerPoint)は社会人の必須スキル!
僕も大学1年のころはあまり使いこなせませんでしたが、実際に使いながら少しずつ身につけていきました。
Word:読みやすく、わかりやすくまとめる力を養う
Wordはレポートや報告書など、「文章を整理して伝える力」を鍛えられるツールです。
大学のレポート作成で慣れておくと、社会人になってからも会議資料や報告文を書くときに役立ちます。
文字の装飾や段落の設定、図表の挿入など、基本操作をマスターしておくことで、見やすい資料を短時間で作れるようになります。

僕は「大学の授業ノートをWordでまとめる」「ゼミ発表の原稿をWordで整理する」など、日常の中で自然に練習していました。
Excel:数字を扱うすべての仕事で使う万能ツール
Excelは最初はとっつきにくいですが、慣れるととても便利なツールです。
計算・グラフ作成・データ整理など、どんな業界でも必ず使います。
特におすすめの練習法は、自分の家計簿やサークルの会計管理をExcelで作ってみること。
実際に金額を入力し、SUM(合計)やAVERAGE(平均)などの関数を使ってみると、仕組みを体感できます。
僕はサークルの運営費をまとめるときにExcelを活用していて、月ごとの支出や収入を表にしたり、グラフ化したりすることで、データ管理のコツが自然と身につきました。
「仕事で使えるようになるには、日常で使ってみるのがいちばん早い」と実感しました。
PowerPoint:プレゼン資料づくりのコツを知る
PowerPointは、就活でも社会人になってからも使う場面が多いツールです。
図解やアニメーションを使って、見やすく・伝わりやすい資料を作る練習をしておくと、発表や面接で差がつきます。
僕は大学の授業発表で、PowerPointのデザインや文字サイズを工夫するようにしていました。
シンプルで見やすい資料は、それだけで印象が良くなります。
社会人になってから「報告資料を短時間でつくる力」が求められるので、今のうちに慣れておくのがおすすめです。
学び方のコツ
Officeスキルは「本で覚えるより、実際に手を動かすこと」がいちばんの近道です。
最近ではYouTubeにも初心者向けの講座がたくさんあるので、動画を見ながら真似して練習するのが効果的です。
Webライティング(SEO)― 発信力とビジネス思考が身につくスキル
もうひとつ僕が学んでよかったと思うのが、Webライティングのスキルです。
大学2年のころから長期インターンシップでWebメディアの記事を執筆していて、文章力だけでなく「どうすれば読まれる記事になるか」というマーケティング視点も身につきました。
Webライティングで身につく力
Webライティングでは、読者の悩みを考えながら文章を構成したり、検索結果で上位に出るように工夫したりします。
その過程で、論理的に考える力や、情報を整理して伝えるスキルが鍛えられます。
SEO(検索エンジン最適化)という仕組みを学ぶと、「人に伝わる文章とは何か」を深く理解できるようになり、将来的に広報・マーケティング・営業など、さまざまな職種で活かせる知識になります。
学び方と実践のステップ
まずは「沈黙のWebライティング」などの入門書で基礎を学び、次にブログを立ち上げて記事を書いてみるのがおすすめです。
Amazonで見る独学でも始められますが、もし機会があればライティングの長期インターンやアルバイトに挑戦してみてください。
実際にクライアントの要望に合わせて記事を書く経験を積むと、「読まれる文章」と「自己満足の文章」の違いがよく分かります。
僕もこの経験を通じて、文章で情報を伝えることの難しさと面白さを学びました。
学んでよかった理由
Webライティングを通して、社会人に必要な“ビジネス的な思考”が身についたのが大きな収穫です。
「どんな人に、どんな情報を届けたいか」を常に考える習慣は、就活の自己PR作成にも役立ちました。
また、このスキルは将来の副業にもつながる可能性があります。
社会人になっても続けられる“自分の武器”として、学んでおいて損はないスキルです。
社会人になると、新しい知識やスキルを学ぶ時間が限られてしまいます。
だからこそ、大学生のうちに少しでもパソコン操作や文章力、データ分析などのスキルを磨いておくと、入社後に圧倒的な差がつきます。
どれも最初は難しく感じますが、「自分の生活の中で使ってみる」ことから始めるのがコツです。
努力の積み重ねが、社会に出たときに確かな自信になります。
業界ごとに必要な資格・スキルは違う!
資格やスキルと一口に言っても、どの業界に進むかによって「求められる力」は大きく変わります。
たとえば、英語が重視される業界もあれば、ITの知識があるだけで一目置かれる業界もあります。
だからこそ、「とりあえず人気の資格を取る」のではなく、自分の将来に合ったものを選ぶことが大切です。
IT業界:ITパスポートや基本情報が共通語になる
僕が就職予定のIT業界では、ITパスポートや基本情報技術者試験の知識が基礎中の基礎になります。
システム開発やネットワーク構築など、専門的な仕事をしていくうえで、ITの仕組みを理解していることが前提だからです。
実際、ITパスポートを勉強しておくと、会話で出てくる「サーバー」「クラウド」「データベース」といった単語の意味がスッと分かります。
さらに、Excelでデータを整理したり、PowerPointで資料を作ったりするスキルも重要です。
IT業界といっても、実際の仕事は「人にわかりやすく伝えること」の連続なんです。
コンサル業界:TOEIC+論理的思考+資料作成力が命
コンサル業界では、英語力と論理的思考力が特に重視されます。
海外の企業と取引をするケースも多く、TOEIC750点以上が一つの目安と言われています。
また、クライアント(依頼企業)の課題を整理し、改善策を提案するのが仕事なので、PowerPointを使った資料作成スキルや、数字を扱うためのExcelスキルも必須です。
僕がOB訪問でお話を聞いた先輩も、「PowerPointを使って、見やすく説得力のある資料をつくる力が最も大事」と話していました。
どんなに良いアイデアでも、相手に伝わらなければ意味がありません。
分析→整理→プレゼンの3ステップを意識した学びが、コンサル志望者には欠かせません。
商社・グローバル企業:英語×コミュニケーション力が鍵
海外取引が前提の商社やグローバル企業では、英語は“武器”というより“必須条件”です。
TOEIC800点以上が一つの基準になることが多く、日常的に英語のメールや会話を使う環境があります。
加えて、海外の人と仕事をするうえでは、コミュニケーション力や文化理解もとても大切です。
留学経験がなくても、英語で話す機会を作ったり、ニュースを英語で読むだけでも慣れていきます。
語学は筋トレのようなもので、毎日少しずつ続けることが上達への近道です。
金融・保険業界:数字に強く、説明がうまい人が強い
金融・保険業界では、簿記やFP(ファイナンシャル・プランナー)など、お金に関する資格が人気です。
数字を扱うことが多いため、論理的に考え、正確に伝えるスキルが求められます。
また、投資や資産形成の知識を学ぶことで、社会人としてのマネーリテラシー(お金の知識)も身につきます。
これは仕事だけでなく、自分の人生設計にも役立つスキルです。
僕の知り合いの先輩は、大学時代に簿記3級を取得し、その後FP2級まで挑戦したそうです。
面接でも「学生のうちから経済の流れを学んでいた」と評価されたと話していました。
業界研究は人に聞くのがいちばん早い
どんな業界を目指すにしても、最初から一人で調べるのは難しいものです。
そんなときは、OB・OG訪問ツール(ビズリーチキャンパス、Matcherなど)を使って、実際に社会人の先輩に話を聞くのが一番の近道です。
僕も大学3年のころ、IT業界やコンサル業界の先輩に話を聞いたことで、自分に合う働き方をより具体的にイメージできました。
ネットの記事やパンフレットではわからない現場のリアルを知ることができます。
業界ごとに必要なスキルは違っても、「早いうちに動く」「学ぶ姿勢を持つ」ことは共通しています。
高校生・大学生のうちから少しずつ将来を意識して動いてみるだけで、進路の見え方がぐっと変わります。
大学生活は社会人準備期間
大学4年間を振り返ってみると、あっという間に過ぎていきました。
授業やサークル、アルバイト、インターンなど、たくさんの経験を通して思うのは、「大学生活は社会人になるための準備期間」だということです。
資格やスキルの勉強も、その準備の一つでした。
TOEICで英語の基礎力をつけ、ITパスポートでビジネス×ITの関係を学び、Officeソフトで実践的な操作に慣れる。
そして、Webライティングで「人に伝える力」を磨く。
これらはすべて、社会に出てから「自分の考えを行動に移す力」につながりました。
できる自分を少しずつ増やすことが大切
資格やスキルは、最初から完璧を目指す必要はありません。
むしろ、最初の一歩を踏み出すことこそが大事です。
僕も最初は「ITパスポートって難しそう」「Excelって数字ばかりで苦手」と感じていました。
でも、YouTubeの初心者講座を見たり、友達と勉強会をしたりしているうちに、少しずつ理解できるようになりました。
大切なのは、「昨日よりできることを増やしていく」気持ちを持ち続けることです。
どんな分野でも、最初の一歩を踏み出した人が一番強い。
そしてその積み重ねが、将来の自信になります。
“学びの目的”を自分の中で持つ
資格を取ることがゴールではなく、「なぜ学ぶのか」を考えることが何より大切です。
就活のためだけに資格を取ると、モチベーションはすぐに下がってしまいます。
「社会に出てこんなことをしたい」「将来自分はこうなりたい」と思いながら学ぶと、勉強がぐっと楽しくなります。
僕の場合、IT業界で働きたいという目標があったから、ITパスポートや基本情報の勉強にも前向きに取り組めました。自分の将来像が少し見えると、学びは自然に続けられるようになります。
社会人になると、学ぶ時間は減ります。
だからこそ、時間に余裕のある大学生活は、自分を成長させるための最高のチャンスです。
「資格」や「スキル」は、未来の自分を支える土台になります。
高校生・大学生のみなさんも、興味のあることから少しずつ挑戦してみてください。

