みなさんこんにちは!東京大学文学部3年のあっぱれと申します。
今日は『ゼロ秒思考』(赤羽雄二,ダイヤモンド社 ,2013年)という本を参考に、「考える」を徹底解明していきます!
Amazonで購入する「人間は考える葦である」
17世紀の偉人パスカルは、遺稿にこう綴りました。
思考力は、人間を特徴付ける重要な能力です。
しかし、考えるなんてあたりまえのことすぎて、意外と意識されてない。みんななんとなくでやっている。
だからこそ、その本質を理解すれば周りと大きな差がつきます。
この記事を読んで一生使える最強の思考力を身につけましょう!!
東京大学の資料を請求する!目次
What is 「考える」?
「考える」の定義
皆さんは今までの人生で、「考える」を辞書で引いたことはありますか?
おそらくほとんどいないでしょう。普段ごく当たり前に使っている言葉ですし、わざわざ調べずとも意味を理解したつもりになっているからです。
でもそれって、本当に正しい意味で使えていますか?
言葉とは普遍的なようでいて、実に多様な解釈がなされるものです。
だから、「考える」という単語を聞いても、思い浮かべるイメージは人によって微妙に異なっているはず。
まずは辞書での定義を確認し、「考える」という言葉に対する認識を統一させましょう。国語辞典での定義は以下の通りです。(※Macの辞書アプリ参照)
考える:物事について,論理的に筋道を追って答えを出そうとする。思考する。
自分のイメージと辞書の定義はどれほど一致していたでしょうか?
この定義において、僕が本質的に重要だと思うのは、「答えを出そうとする」と言う部分。
つまり、「考える」とは「ある疑問に対して結論を導くこと」と言い換えることができます。
「考える」?「思う」?「悩む」?
ところで、「考える」に似た言葉に「思う」や「悩む」があります。
これらは日常でも無意識に混同され、明確に使い分けられていないこともしばしば。ではこれらはいったいどのように定義されているのでしょう。
思う:物事に対してある感情や意識をもつ。心に浮かべる。また,想像する。
悩む:結論が出せなくて苦しむ。思いわずらう。
こうして比べると、三者三様で全く異なった定義がなされているとわかります。
特にこの2つが「考える」と異なっているのは、ゴールや目的がない行為であるということ。
ただ思っただけで終わったり、いつまでも結論を出さずに悩んだりしていても、それはただの自己満足。残念ながら「思う」「悩む」からはなにも生まれません。
少し振り返ってみてください。
考えている「つもり」だったけど、あれはただぼんやり思っているだけだったかも、あるいは悩んでいるだけだったかも。
皆さんにも思い当たる節はないでしょうか?
Why we 「考える」?
「考える」は脳内で完結しない
「考える」とは何かについては理解していただけたと思います。
では、「考える」ことの最終的なゴールってなんでしょうか?我々はなぜ、なんのために考えるのでしょうか?
答えは、「実際に行動を起こすこと」です。
「え、さっきは結論を出すことって言ってなかった?」
たしかに、考えることは結論を出すことです。しかし、そこで終わりではもったいない。
例えば学校の定期テスト。問題の答えがわかったら、どうしますか?
答案用紙に答えを書きますよね?
どれだけ頭の中で完璧な答えが導けていたって、「答案用紙に記入する」という行動を起こさなければテストは0点。
そんなのあたりまえの話ですよね。
でも、これを一般化すれば「考える」ことのゴールが見えてきます。
考えて出した結論は、あくまで行動を起こす「原因」でしかありません。そこで止まってしまい、実際に行動を起こさなければ「結果」は絶対に得られません。
よく、本を読んだり映画を見たりして「マジ考え方が変わった!」と満足そうに語る人がいます。でも、その中で実際に行動を変えられた人ってどのくらいいるのでしょう?
目的から遡れば、「考える」は決してあなたの頭の中だけで完結するものではないのです。
「ゼロ秒思考」
ここでタイトル回収。「ゼロ秒思考」って名前はかっこいいけど一体どう言う意味でしょう。
「ゼロ秒思考」は究極の思考。ずばり、「考えない思考」です。
???
頭に「?」マークが浮かんだ人はおそらく正常。でもこれも目的から遡れば理解できます。
思考の本質は行動。行動にのみ結果がついてきます。
勘がいい人だったら気づくはず
だったら、「考えている時間」って本質的には無駄じゃない?
行動(アウトプット)の質がもし同じならば、考える時間ってできるだけ短い方がいいですよね。それを突き詰めれば、おのずと即断即決という結論にたどり着きます。
考える時間を極限まで削減して、かつ質の良いアウトプットを量産できれば、その人はもはや生産性の鬼。あの煉獄さんでも止めることは不可能です。よもやよもや。
みんながあたりまえにやっていることだからこそ、鍛え上げれば唯一無二の武器になる!思考スピードを限界まで鍛えた結果たどり着く境地。それが「ゼロ秒思考」。かっちょいい。
How to 「考える」?
思考は仮説→検証の繰返し
「考える」力を鍛えるにはまず、正しい考え方とその構造をしっかりと理解することが大事。闇雲に努力するだけでは、思考スピードは上がりません。
正しい考え方の構造はシンプルです。
「仮説を立てる」→「仮説を検証する」
このシンプルな2ステップが思考の基本です。
まず「仮説を立てる」ですが、これは考え始めるための手がかり。現状で持ちうる情報や経験を総動員して、「結局こんな結論になりそうだな〜」という仮の結論を最初に立てます。この仮説が実際の結論と近ければ近いほど次の検証にかかる時間が削減されます。つまり、素早い思考は良い仮説から。
で、良い仮説を立てるのに必要なものはなにかというと、
「勘」
です。驚くかもしれませんが、これは『ゼロ秒思考』の筆者も書いていることです。人間の勘って意外と頼りになることも多い。
また、仮説の精度は繰り返し考え続けることで増していきます。最初のうちはうまく行かなくとも、大胆に仮説を打ち出してみることが大切です。
仮説を立てたら次はその検証。仮説に関する疑問を明らかにしていきます。ここで重要なのは
「どの疑問が解消されれば結論を出せるか」
を徹底的に考えること。何か決断するときは、ついつい不安になって情報を過剰に集めがち。しかし、スピード感を上げるためには、できるだけ無駄は省きたいもの。かといって、限られた情報で決めつけてしまったら考えている意味がない。それはゼロ秒思考と似て非なるものになってしまいます。
そこで、僕が仮説検証のひとつの基準としておすすめしたいのが、「5w1h」のフレームワーク。あらゆる疑問は突き詰めると「誰が」「いつ」「どこで」「なにを」「なぜ」「どうやって」の6つのいずれかに集約されます。
検証のために解決すべき疑問がわからないときは、5w1hを思い出して必要な情報に見当をつけましょう。
検証が終わればいよいよ実行!ばっちり検証もしたし失敗はあり得ない!
と思ったら大間違い。どれだけ入念に仮説検証をしたとしてもうまくいかないことは必ずあります。そもそも大前提として、アウトプットにただ1つの正解はありません。
ならばよりよい答えを探し続けるのみ!「考える」に終わりはありません。
アウトプットしてうまくいかない部分があれば、なぜうまく行かなかったのか、また仮説を立てるところからやり直しましょう。実はこれ、以前の記事でも紹介した「PDCAサイクル」と同じ考え方。トライ&エラーを繰り返してアウトプットの質は高まり、同時に思考スピードも上がっていくのです。
とにかく書き起こす!
思考スピードを上げるもう一つの方法として、頭に浮かんだものをとにかく紙に書き起こすという方法があります。
その理由は、私たちが使う言語と深く関わっています。
言語は読んだり書いたり話したりするもの、というイメージがもしかしたら強いかもしれませんが、実は考える際にも非常に重要なツールです。試しに、言語を一切使わずに考え事をしてみてください。おそらく不可能です。それくらい思考と言語は密接な関わりを持っています。
逆に言えば、どんなイメージや感情も言葉にできなければ考えられないということ。
「頭の中がモヤモヤしてるんだけど、なんて言ったらいいか分からない……」
きっと多くの人が思い当たる経験だと思います。もしもこれが言葉にできていたら、もっとスラスラ考えが進むのに。
要するに、言語化力こそが思考力の根幹です。頭の中のことを紙に書き出すことは言語化力向上の非常に有効なトレーニングです。実際にやってみるとわかるのですが、いままで頭では理解していたことも、紙に書いて言語化することで頭の中が一気に整理されたような感覚になります。この感覚はみなさんにもぜひ実感していただきたい!
具体的に何をすればいいか分からないと言う人は、日記を書いてみるのもいいと思います。また、僕が今書いているブログも、言語化力を鍛えるためには非常に有効です。どう書いたら読む人に伝わるだろうと考えながら言語化することは、とてもいいトレーニングになっています!
おわりに
いかがだったでしょうか?今回の記事も少し長くなってしまいましたが、ギュッとまとめると、
「どれだけ頭で考えても結果は行動にしかついてこない」
これが思考の本質です。日頃からアウトプットを意識した思考を心がけましょう。
今回参考にした。『ゼロ秒思考』では紙に書き起こす思考トレーニング法が詳しく紹介されています。この記事で興味を持ってくださった方は、ぜひお手に取ってみてください!
書籍情報
赤羽雄二 『ゼロ秒思考』 ダイヤモンド社 (2013年)
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