現役で早慶法学部に合格した私が早稲田大学法学部の国語について解説・分析したいと思います。
早稲田大学法学部の受験を考えている方は是非最後までご覧ください!
大問1 古文
早稲田大学法学部の国語の大問1は毎年古文が出題されます。
量はそこまで多くはありませんが、その分掛けられる時間が少ないです。普通の読解だけでなく、単純な文法や知識を問う問題も出題されるので、基礎的な知識が欠けていると差がついてしまいます。 年にもよりますが、和歌が出題されたことが何回かあり、和歌の解釈について問う問題は難易度が高いです。今年、私が受験した早稲田大学法学部、商学部、社会科学部、教育学部のうち、商学部と社会学部で相次いで和歌の出題があったので、来年は法学部も警戒が必要です。
法学部は現代文の方が難しいため、古文ではほとんど点を落とすことが出来ません。私は過去問で必ず古文で満点を取るという意識で毎回解いていました。本番でも1ミスで押さえることが出来ました。現代文に自信がない方は、この大問で点数を稼ぎましょう。
大問2 漢文
大問2は漢文です。
私立大学で漢文が独立した大問で出題されるのは割と珍しいです。難易度は年によりますが全体的に若干難易度が高いと思います。また、文章量も多いです。
ほぼ毎年出題されている形式が、白文に返り点を付ける問題です。書き下し文は与えられておらず、その文の解釈が問題文に記載されています。今年は難易度が特に高く、漢字を読む順番が分かっても、返り点のつけ方のルールを正確に理解していないと解けない問題だったと思います。
過去問をやっていて全く理解が出来ない問題があって、予備校の先生に質問したら、解けないことはないけど悪問で時間を取られるだけだと言われました。皆さんも分かってはいると思いますが、入試では満点を取る必要は全くありません。
早稲田法学部の漢文では毎年難しくて回答に時間がかかるものがあるので、そこは割り切って、正解の可能性が高いものを選んで先に進みましょう。
大問3・4 現代文
大問3・4は現代文です。
私立大学の中で最難関の現代文が出題されるのが早稲田大学法学部だと思います。2015年の大問3で出題された文章の一部から抜粋してきました。試しに読んでみてください。
“他者の顔は、<私>が望むか否かにかかわらず、それ以前にスピーチ・アクト(言語行為・発話行為)の力をもって<私>に自らを強要してくる。顔の歓迎は、<私>の選択の自由に関わりなく、受動的な感受性―「受動性より受動的な受動性」―つまり可傷性において起こり始めるている。この倫理的関係を、自己意識、自由、自我、現前などの西洋哲学の伝統を支配してきた一連の概念から解放するためにレヴィナスは、彼特有の概念をいくつか練り上げる。ここでは「憑依」(obsession)を取りあげよう。この語は普通「強迫観念」と翻訳されるが、心理学的な意味と区別するために「憑依」と訳すことにする。”
(港道隆『レヴィナス―法―外な思想』より)
引用したのは最初の一段落で、これ以降分かりやすい具体例によって説明されることなく話が進みます。私はこの文章を初めて読んだとき、人生でこんな難しい文章を読むのはこれが初めてだと思いました笑
文章が難解なのに加えて選択肢が非常に長いです。だいたい2~4行ほどにわたる選択肢が5択用意されています。さらに、文章を理解できても選択肢の語句が本文で一切使われていないことがあり、本文の言い換え表現が選択肢に使われていて、瞬時に正しい解答を導くことが難しいです。
2つの現代文の難易度は、大問3よりも大問4の方が高いことがほとんどです。(2016以前は古漢融合問題だったので大問2よりも大問3の方が難しい。) その理由は文章難易度もありますが、大問4では毎年必ず論述問題が出題されるからです。字数も120~180字と、私大の論述問題としてはかなり長い方に分類されます。
論述問題は、普通は指定された箇所の説明や理由について記述する形式が多いですが。しかし、早稲田法学部の論述は、“筆者の○○に関する考えに即し”、“本文全体を振り返りながら”などの文言が問題文に含まれており、指定された箇所の説明と本文全体の内容を関連させながら、解答を作る必要があります。 つまり、内容・理由説明問題と要約問題が合体したものが出題されるということです。
文章内容、選択肢が難解である点と論述問題が出題され、形式が特殊である点の2点が早稲田法学部の現代文を難易度の高いものにしているポイントであると考えます。
最後に
もはや早慶あるあるだと思いますが、最後は時間との勝負になります。
90分で大問4つとなると、大問1つあたりにかけられる時間は22.5分です。しかしながら、大問4は非常に時間がかかるし、大問3も、大問4よりも難易度が低いとはいえ普通よりは難しいので時間はある程度かかります。となると、最初にも少し言及しましたが、古文漢文でいかに時間を短縮できるかが大事になってきます。 私は、大問1と2を25~30分、大問3を25分、大問4を35~40分という時間配分にしていました。古文漢文は時間に変動が起きやすいので、自分で時間配分を決めるときも、ある程度幅を持たせて決めるといいでしょう。
英語もただでさえ難しいのに、国語が私大最難関といわれる早稲田法学部の入試は相当難しいのだと改めて実感しますね。早稲田法学部の英語の解説・分析は以下のリンクから是非ご覧ください!

