大阪府立大学大学院工学研究科のもりもりです。
今回は、理系学部を受験したい高校生の皆さんが気になる
「理科の選択科目どれ取ったらいいんだろう?」
という疑問をいろんな視点から検証して、解決していきます!
4つの選択肢
理科の選択として化学、物理、生物、地学の4つがあります。
中学生のときはこの4つの理科科目について、満遍なく基礎知識を勉強したかと思います。高校では、この中から2つに絞ることになります。
この記事ではそれぞれの科目について、体験談なども踏まえながら詳しく紹介していきます。
化学
化学は理系高校生が9割と言って良いほど選択している科目です。私の高校では化学選択は必須で、残りの1科目は生物or物理で好きなほうを選択するという制度でした。
大きく分けて無機化学・有機化学・理論化学の3つを勉強しなければなりません。
無機化学
暗記物がほとんどなので、覚えてしまえば得点アップできます。
例えば炎色反応での物質と色の関係や、イオンが溶けている水溶液の色を覚えるなど、どれだけ暗記しているかが大事になってきます。
理論化学
化学反応式などの条件が与えられていて、そこから物質がどれくらいできるかなどを計算する問題があります。中学の頃と違うのは「mol」という概念が出てくるので、molを理解できないとかなり初歩でつまずいてしまうことになります。
有機化学
暗記と計算の両方の力が必要となります。有機化合物など物質名や構造式、また化学反応式は暗記です。
そして、暗記した知識がベースとなって応用で計算問題が出題されます。(大学の2次試験では必ずと言っていいほど出題されますが、難易度は高めです。)
ほとんどの理系高校生が選択するため、参考書も見やすいものや充実した内容のものが数多く本屋に並んでいます。
Amazonで化学の参考書を見る難しい単元もありますが、勉強しやすい教科であることは間違いありません。
物理
力学・熱力学・電磁気学・波の大きく4つの単元があります。
単元ごとに公式があり、定義がしっかりされているので、理解して使いこなせれば高得点が狙えます。
しかし、数学との関係が強いため数学を苦手とする人は物理に勉強に抵抗を感じるかもしれません。また、応用問題になってくると思考力が問われる難問が数多く出題されます。
私も高校2年生の時に有名大学の赤本を見て「1年後にこれが解けるようになるのか…!?」と思ったくらいです。
物理は勉強時間と点数が比例しないことで有名です。分からないところが多くて何時間も勉強して、それでも点数が取れない。点数が取れなかった時に落ち込まず、復習して、理解しようと努めると、あるところで一気に点数がグーン!と向上します。
問題に難易度の差はあれ、単元ごとに使用する式は決まっているので、見やすい参考書なども多いです。
私が高校生の時は、物理のエッセンスを使ってました。とても見やすくてオススメです。
Amazonで見る生物
生物は暗記!
だから化学や物理に比べて簡単!!
そう思っている方はいませんか?
その考えは
半分合っていて、半分間違っています。
確かに生物は化学や物理と比べて暗記の割合が圧倒的に多いです。しかし、簡単ではありません。
教科書に書いてある語句などを覚えて、問題集を解けばいいのですが、暗記することが多すぎるので、生物が好きな人ではないと途中で挫折してしまいます。
また、単に語句を暗記しただけでは模試、受験の点数が思ったように伸びません。実際に私の友達も、模試などで生物の点数が伸び悩み、苦労していました。
ある問題を出題しようとした時、生物では
- 暗記問題
- 計算問題・グラフ
- 図の読み取り問題
- 実験問題
- 論述問題
- 作図問題
など、問題の出し方が多様であることが特徴です。
理解が浅いと高得点に繋がりにくいのが生物の勉強において言えます。
また、万人にわかりやすい参考書が少ないことも欠点として挙げられます。
よく教科書を読んで、いろんな問題を解いて理解することで自信を身につけることが大切です!
また、受験とは話が逸れますが、高校で生物を勉強できなくても大学で勉強することができます!
逆に、高校で生物を勉強して、大学で物理を勉強するのはあまりできません。
私自身、高校生の時は物理を勉強しており、現在はラボで生物系の研究をしています。
自主学習をすることが難しい物理をあえて高校で取るという考えも、戦略の1つとして挙げられます!
Amazonで生物の参考書を見る地学
地学を選択する高校生は稀で、理系を目指すなら取るべきではありません。
なぜなら、受験科目で地学を設定している学部が少なく勉強してもあまり意味がありません。
化石・自然環境を取り扱う学部、地球科学科などが行きたい学部ならば、地学を勉強し受験科目にしますが、それ以外の学部も気になる方は地学を取ると受験の幅を狭めてしまうのでオススメしません。
Amazonで地学の参考書を見る志望する学部の受験科目をチェック!
ここまで、4つの理科科目の特徴について説明してきました。
「じゃあ自分が向いている科目はなんだろう?」
「どれを選ぶと受験に有利なの?」
これは最後まで勉強しないと分からないのと、個人差によるのでなんとも言えません。 最終的には、
自分が大学で何を勉強したいか?
という学部選びによって科目を決定したほうがいいです。
工学部で化学と物理による受験が圧倒的に多いのは、入学してから化学と物理の知識がベースにないと4年間厳しくなるからということで設定されています。
理系学部を目指す高校生は「化学+物理」もしくは「化学+生物」を選択する人がほとんどです。
「化学+生物」を選択して受験できる国公立の学部は
- 理学部の化学科、生物学科、数学科
- 農学部
- 医学部
- 薬学部
- 看護系
- 栄養系
- 工学部のバイオ系
です。ただし、薬学部や医学部などは「化学+物理」でも受験可能な大学もあります。
そして「化学+物理」を選択すると工学部が受験できます。
工学部といっても、その中で化学、機械、電気電子など様々な分野があり就職先も多種多様です。どの大学にも工学部は大体揃っているので受験する大学にも幅を利かすことができます。
最後に
私の高校では化学と物理を選択することを強く勧められていました。そのため、私は化学と物理を勉強していたのですが、物理の点数が長い期間伸び悩み、苦労したこともありました。
点数が低いと、自分のとった選択に自信を無くして、勉強する気力が落ち込んでしまうこともあると思いますが、諦めずに勉強し続けると本質が見えてきて得点の急上昇にも繋がります。
自分が大学で何を勉強したいか、どういうことを仕事にしたいかをベースに受験する学部を決めると自然と選択科目は決まってきます。