大学生の皆さんは、就職活動をし、優良企業へ入ることや志望業界へ入ることがゴールだと思っていませんか?
優良企業や志望業界に入ることはもちろん喜ばしいことなのですが、就活の軸をそれだけに絞ってはもったいないです!
本記事では、とある企業の人事部で新卒採用をやっていた私がご自身の中に眠っている価値観を棚卸しをして選択肢を広げるお手伝いをするとともに、就活生が惑わされやすいポイントもご紹介します!
どんなに大企業に入っても、組織の歯車になってしまってはご自身の才能が存分に発揮される可能性は極めて低いです。
本当にやりたいことは何か?どんな大人になっていたいか?
この機会に、この先の長い人生をよりイキイキと過ごすために、どんな選択肢があるのか一緒に考えてみましょう!
目次
就職活動における代表的な希望6つ
最初に、自分の価値観の所在がどこなのか考えてみましょう。以下の6つの中に当てはまるものはありますか?
- ①大企業に入りたい(社員数1,000人以上、海外でも知名度があるなど)
- ②有名企業に入りたい(ネットで探して上位企業、知名度のある企業など)
- ③地元で働きたい(転勤が無い、ずっと家族のそばにいられるなど)
- ④給料が高いところ(初任給で比較してみよう、年収が高いところが良いなど)
- ⑤ホワイト企業で働きたい(残業時間が少ない、福利厚生がしっかりしているなど)
- ⑥やりたい仕事ができる企業に入りたい(初期配属部署が決まっている、専門性の高い分野など)
個人的な見解を述べさせていただくと、実は就職活動で思い通りの企業、第一希望の企業に合格できる人はそんなに多くありません。
そこで、それぞれの価値観をさらに深堀りし、本当の自分はどういう企業に行きたいのか考え、新しい選択肢を見つけるきっかけになればと思います。あくまで、私の人事での経験や考えをもとに記載しているので、参考程度に読んでいただければと思います。
代表的な希望①:大企業に入りたい
これは言わずもがなですが、現在大企業であっても、将来その企業が大きいとは限りません。個人的には、社員数や現在の売上高、利益の上がり方はあまり参考にしなくても良いのではと思います。
例えば、昔は大きかった銀行や証券会社も現在は潰れて合併吸収されていたり、コロナの影響で大打撃のあった大企業も多く存在しますよね。大企業に入りたい方は、社会情勢などを踏まえて企業を選択すると良いと思います。
代表的な希望②:有名企業に入りたい
何を「有名企業」とするかにもよりますが、率直に言うと個人的には注意が必要な観点だと思います。なぜなら、ネットに載っている「就活生が選ぶ人気企業ランキング」などは、必ずしも公平なランキング・記事ではない可能性があるのです!
ランキング記事は、記事作成元のメディアが企業へ掲載依頼の売り込みに来るケースも存在します。
ところが、人事部で新卒採用をしている中で、ネットのランキングを信じて自身での調査が不十分なままエントリーしている就活生を多く見てきました。
そのため、ネット情報を鵜呑みに企業を決めてしまうのはもったいないと感じます。
代表的な希望③:地元で働きたい
まず大企業や有名企業だと、総合職は特に全国転勤などがあるケースが多いかと思います。もし家族に何かあったときもその時は海外にいて、親孝行できなかった・・・などということも実際にあるケースですね。そのため、地元に貢献したい人や、家族の近くに居たい人は、ぜひ地元の企業を探してみてはいかがでしょうか。私はとても良い価値観だと感じています。
また、人事に転勤の有無を確認してみるのも良いでしょう。コロナの影響で、転勤や支社という地方で働く概念を無くしている企業もありますよ。転勤が無いだけで、半年に一回の人事異動でソワソワすることもありません。
代表的な希望④:給料が高いところで働きたい
これも場合によっては注意が必要です。給料に何が含まれているのかをしっかり確認しましょう。
1つ目は、残業代がみなし残業になっていないかです。よく見ると「毎月20時間分の残業代を含む」などという表記があったりします。
2つ目に、家賃手当は出るのかもポイントです。給料は低く見えても、実は家賃手当が5万円出るなど、人事に聞いてみないとわからない点もあります。その場合は給料+5万円が本当の給料ということになりますね。
3つ目に、退職金制度があるのかという点もぜひ見てください。古くから日本にある企業や日系企業では退職金制度があることが多いです。退職金制度が無い企業は外資が多い印象ですが、毎月給料から退職金が積み立てられないため、見た目の月給は高いと思います。毎月の給料が高くても、退職金が入らない企業もありますので要チェックですね。
見た目の月収に惑わされずに就職活動をしてください!
代表的な希望⑤:ホワイト企業で働きたい
その会社がホワイトである根拠は、「くるみん(産休育休など)」「ホワイト500(健康経営)」「休暇の日数や種類」「女性管理職の人数」「障がい者採用の取り組み状況」「残業時間」など、多くの視点から企業を見ることで見えてくると思います。この観点も個人的にはおすすめです。
実際の募集要項には書かれていない場合でも、社員の人にたくさん会い、生の現場の声を聞いて判断することもおすすめです。文字だけ見たら制度や規定が充実しているように見えても、実際は有給が取りにくい企業や、制度を運用できていな企業も存在するのではないでしょうか。ぜひご自身で社員の人に聞いてみてください。
代表的な希望⑥:やりたい仕事ができる企業に入りたい
これは大企業になればなるほど難しいのではないかという印象を持ちます。
なぜなら、まず企業という組織に入る時点で、組織に順応する必要があります。自分が経営者であれば好きな仕事をできますが、企業に入った時点で、経営陣や人事部に指示された仕事・勤務地で、上司に指示された方法で仕事を進めることが大前提となります。
小さな企業であれば自分でできる仕事の幅も裁量も大きくなりますが、大企業に入ると仕事や役割が細分化され、幅が限定されるというケースも多いです。そのため、仕事内容に強い希望がある人は、入社前にやりたい仕事ができるかどうか、企業規模もふまえて人事に確認をしてみてください。
初期配属はダメだったけど、5年後なら異動してできる可能性があるかもしれません。ただ、新入生や若手社員として働けるのは人生の中でその時きりです。5年後ならできる、10年後ならできるという可能性を信じて、それまでの期間を頑張れますか?それを自分自身としっかり相談してください。
貴重な新卒~若手時代にやりたい仕事がしたい人は、その道のプロフェッショナルがいる専門性の高い企業や、小さい企業で自分のできる仕事の幅が広そうな企業を選ぶということもぜひ選択肢に入れてみてください。
最後に…
念願が叶って、第一志望の会社に入れた!!そんな方も、入社前後のギャップは必ずしもあると思います。
行きたい部署に行けましたか?
やりたい仕事ができていますか?
思い描いている社会人でしたか?
やりがいと誇りはありますか?・・・
就活がゴールだと思っている人がもしいたら、その先の未来もよく見据えてもう一度志望する企業や業界を選び直してみてはいかがでしょうか。
人生はまだ先が長いです。就職活動では、自分の可能性や志望を限定せず、一度価値観をリセットして考えてみることを、(僭越ながら)社会人の先輩としておすすめします!
次のブログでは、転職を経験した私にが、転職して大正解だったな〜と思うことをお伝えいたします。次回も読んでいただけると嬉しいです!