みなさんこんにちは!八重洲OLのなびきです。
この記事では、早稲田大学文化構想学部はどんなことをやっているのか?どんな授業を受けていたのかを卒業生である私が実際のエピソードを交えながら生々しくお伝えします!
早稲田大学の資料を請求する!目次
はじめに
学部創設当初から「早稲田大学文化構想学部って何を学ぶの?」という疑問の声は絶えません。「あそぶんこう」という揶揄もあるくらいですから、「何を勉強しているかわからない」「遊んでいるだけ」という、若干嘲笑めいたイメージがあることも知っています。笑
そりゃあ、学部というものは学問領域をベースに設置されるものなので、「文学」「社会学」という既存の学問を知っていれば、何を学ぶのかがすんなり想像できますね。ところが、私たちは「文化構想学」というものを知らないばかりか、そもそもそんな学問は存在していないので、何をするのか疑問を抱かれて当たり前なのです。「なにそれ?」と思っているあなたは正しい!
(※「文化学」は存在します。興味のある方は調べてみて!)
そこで、4年間早稲田大学文化構想学部で勉強した私が、学部選びの参考となるような生々しい情報をお伝えしようと思います。
さて、私個人の見解として、早稲田大学文化構想学部は以下のような人には、とってもおすすめの学部です!!
・ものづくり・コンテンツ作りにアコガレている人
・業種問わず企画職・制作職にアコガレている人
・新しいことをする仕事にアコガレている人
ちなみに、早稲田大学文化構想学部では2年次から6つの論系に分かれます。(論系とは、一般的に言う「〇〇コース」や「××専修」が該当します。)
論系紹介は巷にも良い記事があるのでそちらを参照していただくことにして、この記事では論系紹介にはあえてあまり触れずに、もっと大きな「早稲田大学文化構想学部」という単位で紹介していきますね。
早稲田大学文化構想学部ってどんな学部?
そもそも、早稲田大学文化構想学部ってどんな学部なのでしょう?
大学の公式サイトでは以下のように記載されています。(2021年1月1日時点)
◆学部の理念・目標
・多元的・複合的な文化の様相と構造を解明し、表象の分析と文芸の創造に取り組み、人間と社会の本質に迫ることによって、新しい時代にふさわしい文化を構想する。
・文化学の叡智を現代の課題で照らし、これまでの学問領域を大胆に乗り越えて、広領域的・学融合的アプローチを実践する。
◆人材養成の方針
・人と情報が地球規模で交流し、文化が複雑に絡まりあい、多面的な様相がみられる時代を生き抜くための幅広い教養をもった人材を育成する。
・柔軟で豊かな発想力を使って、新しい文化の世界をダイナミックに構想できる人材を育成する。
……何やら堅苦しい学術的な表現で、ちょっとイメージがつきにくいですね。
4年間の通学を経て、卒業生の私が少し易しい言葉に言い換えるとすると、文化構想学部は、
「過去~現在の複雑に絡み合ったあらゆる文化を紐解き、自分なりに解釈し、未来に役立てるために再構築する力を養う学部」
だと思います。
……ちょっとこれでも具体的なイメージがつきにくいですね!
これだけでは冒頭で書いた「ものづくり・コンテンツ作りがしたい人や企画職・制作職になりたい人におすすめ!」の理由がイマイチ伝わらない気がします。
では早速それを伝えるために、実際の授業の仕組みと、私が4年間で実際に受けた授業を紹介していきま~す。
早稲田大学文化構想学部の授業の仕組み・特長は?
早稲田大学文化構想学部では、「1・3制」といわれる仕組みで4年間が構成されています。
まず1年生では基礎演習、英語、第二外国語などの必修科目があります。専門性を高める前段階として、情報収集の仕方や表現方法などの基礎的な力を養うステップです。
そしていよいよ2年生から各論系に分かれて、専門的な選択式講義や専門演習に取り組みます。
ところが実は!各論系に分かれても論系の枠にとらわれず、自由に講義を選択することができるのです。
専門演習は、自分の論系の演習を選択する必要がありますが、講義は他論系のものも受講できます。学部の理念にも「これまでの学問領域を大胆に乗り越えて、広領域的・学融合的アプローチ…」とある通り、広い視野を得て自分の教養を深めるための制度です。この制度は、文化構想学部の大きな特長であるといえるでしょう。
また「ブリッジ科目」という制度もあり、なんと第二外国語と選択式講義は文学部と共通化されています。(なので、講義でグループを組む際の自己紹介では、学年と氏名だけでなく学部から名乗る必要があります。)
文学部と講義が共通化されることで、古典的な学問から新時代のトピックまで、自分の学びたいものを学び自分の中でそれを組み合わせていける、他大学ではあまり見られない画期的な仕組みですね!おまけに友人も作りやすいです。(多感な4年間を一緒に過ごすので、交友関係は結構大事)
早稲田大学文化構想学部でどんな授業を受けていたの??
※ここで紹介する講義は、2011~2014年度に実施されていたものです。
全く同じ講義は現在はないかもしれませんが、きっと類似したテーマはあるはずなので興味を持った方は探してみてくださいね!
私は2年次から文芸・ジャーナリズム論系に所属していたので、主にメディアや出版、執筆に関する授業をとっていました。
それでは、専門演習と選択講義から、思い出深いものを1つずつ紹介します。
①編集系(専門演習)
個人が好きなテーマを設定し、8ページのZINEを作る演習です。企画から調査、編集、デザインまで自分で行い、出版物の一連の制作過程を体験するのが目的です。
(※ZINE=個人または少人数で作る自費出版冊子のこと)
まず初回の授業でやることの説明を受けて発表スケジュールを決め、あとは自分の担当回に発表します。
私のZINEのタイトルはなんと「まゆげの権力」……。笑
写真は実際のZINEの原本です。拙い作品ですみません…
アンケートを採ったり(100件近く集めた)、文献調査したり、絵を描いたり、あらゆる手を尽くして真剣に作った渾身の作品。今も実家に残っていました。笑
自分が発表しない回はクラスメイトの発表を聞いて、どうしたらもっと良くなるか、自分だったらどういう視点を入れるかなどのフィードバックをします。
クラスメイトのテーマには、こんなものがありました。自分にはない視点と思考回路、掘り下げ方を目の当たりにして、毎回驚愕していた覚えがあります……。
・紅茶花伝~この優雅をあなたに~
・「辞めたいです」が言えなくて…
・暇を持て余したクレーマーたちの遊び
ちなみに、専門演習のこういった制作物は、結構みんな本気で作ってくる&先生とクラスメイトも本気でフィードバックをしてくるので、一夜漬けで作ってお粗末なものを出すとフィードバックの際にボコボコにされることもありますので要注意! 同じ志の人の集まりだからこそできる愛のムチですね。
この演習では、クラス内投票で優秀作品10点を決めていました。私のまゆげZINE(笑)はめでたく9位! いえ~い!
また先生はライターとしても活躍されており、先生のTwitterで優秀作品10点が紹介されました。自分の制作物が世に発信されて嬉しい!と実感できた授業でしたね~。
②メディア系(選択式講義)
「人形」と「ホラー」の関係性をテーマにした授業です。
小説や映画を題材に、どんな要素に人は恐怖を感じているのか、その要素はどう分類できるか、各作品にどのような仕掛けが隠されているのか等を紐解きます。これは表象メディア論系の講義だった気がします。先ほど紹介した「ブリッジ科目制度」があるから、他論系に所属する私も受講できました。
モグリ(科目選択で当選してないのに受講している人)も多かった、当時の人気授業でした。
小説や映画を題材にしてるので、ただ受けるだけでも「めっちゃ面白い!」「へ~そういう仕掛けがあったんだ!」という単純な気づき・感動がたくさんあります。
ただ、早稲田大学文化構想学部の授業の醍醐味、目指すところはそこではありません。それは後の章でお伝えしますね!
【番外編】フリーペーパーサークル
女の子のファッションに、文化構想学部好みの背徳感をプラス
私は複数のサークルに所属していたのですが、早稲田大学文化構想学部をPRするフリーペーパーサークルにも所属していました。
よくある女の子のファッションスナップ企画も、文化構想学部生が作るとこんな背徳感あるテイストに。
ファッションスナップってその対象者の好みやこだわりをインタビューしたりしますよね。ある日の企画会議にて、
「秘めたこだわりのインタビューってある意味、思考の覗き見だよね?背徳感ある~!」
「覗き見って江戸川乱歩っぽい!それも文化構想学部っぽさかもね!」
という何気ない会話から生まれたコンセプトです。
こんな風に自分の頭の中を堂々と表現する場があり、一緒に作りあげてくれる仲間がいることはとても幸せですね。今になってしみじみしてしまう…
早稲田大学の資料を請求する!社会人になってから振り返る、早稲田大学文化構想学部で学ぶ意義
さて、ここで早稲田大学文化構想学部ってどんな学部?という問いに戻ります。
私は冒頭で、早稲田大学文化構想学部のことを「過去~現在の複雑なあらゆる文化の構造を紐解き、自分なりに解釈し、未来に役立てるための力を養う学部」だと言いました。
ちょっとだけまじめなお話をします。
皆さんが体感している通り、今の世の中はとっても移り変わりが早くて、常に新しい価値が生み出され、古いモノはどんどん消えていきます。最近で言うと、タピオカが流行ったと思えば既に下火になりつつありますね。
もう聞き飽きていることかもしれませんが、今の時代は知識を正しく覚えるだけでなく、それを活用して、自分で新しいモノを生み出していく必要があります。例えば、コロナウイルスのような新しい脅威には、過去の学問だけでは対応できないことがたくさんあって、新しいものが必要とされています。
ここで突然ですが、大学を卒業して社会人になると、いったい何が変わるのでしょうか?
もちろん正解はありませんので、色々な答えが出てくると思います。
ただ、私が思う1番大きく変わったことは
「価値を享受する側」から「価値を提供する側」に軸足を移した
ことだと思います。
生まれてから今まで、誰もが一人の人間として製品を購入したりサービスを受けたり、様々な価値を享受してきました。一方で社会人になると、製品を作ったりサービスを提供したりする役割も担うことになります。つまり価値を提供する側のウエイトが大きくなるんです。
※もちろんここでいう社会人は、企業勤めの人だけでなく、起業家もフリーランスもあらゆる大人(非学生)を含みます。
これから皆さんが大学卒業後に社会に出て、何らかの価値を提供する側になったときのことを想像してみましょう。
移り変わりが早い今の社会で、過去と現在を咀嚼して、未来に向けたアイデアを絶えず生み出せることとっても価値のある能力です。そして、その思考は社会人になっても大いに役立ちます。
ただその能力・思考は、残念ながら簡単には身に付きません。日頃から頭の訓練をしておくことが必要です。
そして、その訓練をしていたのが早稲田大学文化構想学部で学んだ4年間だったのだ!と、社会人になった今思うわけです。
例えば、前項「4.どんな授業を受けていたの?」で紹介した「人形とホラー」の授業を受けて、「やっぱ〇〇監督すげー!」「××って作品おもしれー!」で終わってしまっては、その人は一生単なる「享受する側」のままです。
早稲田大学文化構想学部はきっと、その「おもしれー!」の構造や理由・仕掛けを紐解いて、自分で解釈して再構築して、次なる「おもしれー!」を生んでくれる人材を育成したいはずです。
つまり「新しい価値を生み出す側の人材」を育てるのが、早稲田大学文化構想学部なんです。
学部の理念である「多元的・複合的な文化の様相と構造を解明し、表象の分析と文芸の創造に取り組み、人間と社会の本質に迫ることによって、新しい時代にふさわしい文化を構想する。」って、そういうことなんだと思います。
文化構想学部は、「価値を享受する側」から一歩踏み出して、「価値を提供する側」になるために必要となる考え方やスキルが学べる場所だったのだと、今になって思います。
早稲田大学文化構想学部の卒業生の長所
私の学位記とゼミの後輩からもらったプレゼント
早稲田大学文化構想学部には、私みたいに堂々とまゆげの重要性を力説する人もいれば、テレビ文化の将来を考えたり、純文学を追求する人まで様々な人がいます。
多様な文化を扱うがゆえに一見バラバラに見える早稲田大学文化構想学部の学生ですが、実はちゃんと共通している特長があります。
社会人になって〇年経った今感じる、早稲田大学文化構想学部卒業生の長所はざっくり2つです。
①物事の構造や仕掛けを把握することに長けている
②自分なりの解釈や新しいアイデアを生み、言語や視覚情報などを用いて表現し、人に伝えることに長けている(※あるいは慣れている・抵抗がないという表現のほうが適しているかも)
早稲田大学文化構想学部の学生は、テレビや小説をはじめ、ボカロやブラックミュージックなど、ともすれば単なる趣味とくくられてしまうような題材まで、あらゆる文化・産業・人々の日常に真剣に学問として向き合い、未来に向けて新しい価値を生み出そうとしています。
早稲田大学の資料を請求する!早稲田大学文化構想学部はこんな人に勧めたい!
上記のとらえ方をすると、冒頭で「早稲田大学文化構想学部は、ものづくり・コンテンツ作りにアコガレている人、新しいモノを作りたい人、業種問わず企画職・制作職にアコガレている人には、とってもおすすめの学部です!!」とお伝えした理由が、わかってきていただけたのではないでしょうか?
モノづくりやコンテンツ作り、企画職や制作職も、大きくとらえると「新しい価値を生み出していくお仕事」の最たるものだと言えるでしょう。
悲しいことに、社会人って論理性や効率、正しさ、失敗の可能性の低さを重視してしまいます。特に大きな組織であればあるほど。
そんな中で、自分なりのアイデアや解釈を周囲に伝えて新しい物事を起こすのは、意外とハードルが高かったりします。
一方で、企業も個人も激動の時代に生き残るためには、新しい価値を生み続けるしかありません。
そう考えると、早稲田大学文化構想学部の卒業生の長所って、すごく大切なことですよね。
早稲田大学文化構想学部=「あそぶんこう」なんて呼ばれていますが、きっと新しい価値を生み出すために必要な力が身につくのではないでしょうか?
価値を提供する側の世界、とっても楽しいはずです。
早稲田大学文化構想学部の就活事情はどう?
前項までで言いたいことは言い尽くしたので、最後にちょっと補足です。
かつては、「文学部は就活に不利」「文学部は社会に出て役に立たない」なーんて言われていました。(今も?)
文化構想学部は、もともとは第二文学部(文学部の夜間学部)なので、就活に関する不安も良く耳にします。
率直に「文化構想学部」という経歴が就活にどう作用するのか?という問いに対してお答えすると、
これは本人が4年間で何を学び、学部生活以外(サークル・バイト等々)を含めて何をして、何を得てきたかに尽きます!!
(当たり前ですが、これは文化構想学部だからではなく他の学部でも一緒です!)
各論系の演習では、かなり実践的な内容を扱います。例えば文芸・ジャーナリズム論系であれば、著名な先生に自分の執筆物を添削をしてもらえたり、出版社を訪問して社会人と直接お話できたりするので、積極的に参加すれば自分の求める力をしっかり身につけられるはずです。
あと学部創設当初と比較すると、作家の朝井リョウさんやアナウンサーの宮司愛海さんなど、各業界で活躍される卒業生が増えたこともあって、他の学部と比較して過度に不安を抱く必要はないように思います。
おわりに
外からでは見えにくいリアルな早稲田大学文化構想学部、少し覗き見できましたでしょうか?
そして、社会人になって思う「早稲田大学文化構想学部で4年間学ぶことの価値」、長々と書いてしまいましたが
それは「過去~現在の複雑に絡み合ったあらゆる文化を紐解き、自分なりに解釈し、未来に役立てるために再構築する力を養える」こと、もっと平たく言うと、今の時代に必要とされる「新しい価値を生み出せる人材になれる」ことです。
下記のような高校生、ぜひ早稲田大学文化構想学部をチェックしてみてくださいね!
・ものづくり・コンテンツ作りにアコガレている人
・業種問わず企画職・制作職にアコガレている人
・新しいことをする仕事にアコガレている人
少しでも学部選びの参考になれば嬉しいです(^^)
最後のほう、説教ババアみたいなこと書いちゃったから、次回は社会人の楽しいオタ活ブログ書いちゃうぞ~。おしまい!
早稲田大学の資料を請求する!