【大学受験】慶應義塾大学法学部の小論文を徹底解説・分析―対策不要は本当?嘘?

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現役で早慶法学部に合格した私が慶應義塾大学法学部の小論文について解説・分析します。慶應義塾大学といえば小論文を思い浮かべる人は多いでしょう。

概要

出題形式

慶應義塾大学法学部の小論文は、いきなり問題に答えるのではなく、A4用紙2枚分ほどの文章を読んでから問題に答えます。

制限字数は1000字です。原稿用紙2枚半文に相当します。しかし、1000字すべて自分の意見を記述するのではありません。問題文にも指定がありますが、400字程度(380~420字が望ましい)で本文の内容を要約してから、残りの600字で自分の意見を記述します。文章量に対して400字前後で要約するのがなかなか難しく、必要な部分だけを確実に押さえて記述しないと400~420字では収まりません。

また、年によって細かい指示は異なりますが、「現代社会の問題点を挙げながら論じなさい」や「筆者の述べた○○にあたる具体例を挙げながら論じなさい」などと自分の意見の記述に指定があることが多いです。

つまり、文章の要約力と自分の意見を具体例を用いながら簡潔に説明する論述力の2つが求められる試験であると言えるでしょう。

制限時間・時間配分・解答作成の手順

制限時間は90分です。時間の余裕はありません。                    解答作成の手順は

問題の指示を読む→文章を読む→構成メモを作る・道筋を立てる→記述する→誤字・脱字の確認・推敲

です。

問題の指示を読むのは小論文に限らず、他の科目でも同じですが、小論文ではここをしっかり読むことで出題者が何を書いてほしいのかが分かります。裏を返せば、この問題文の指示から外れた瞬間0点になるかもしれません。当たり前すぎると思ってしまいますが、小論文の時は特に意識して問題文を読んでください。

構成メモを作るのは大幅なタイムロスを防ぐためです。

皆さんは作文を書いていたらやっはりここをこうすればよかった…となって消しゴムで消して書き直した経験はありませんか?それは、消す時間も書き直す時間も大幅なタイムロスに繋がります。実際の入試ではこんなことをしている時間は一切なく、一度書き進めたらもう戻ることはないくらいのつもりでいてください。上記のような事態が発生しないようにするためにも、必ず構成メモを作成し、解答の道筋を自分の中で立ててから書き始めましょう。

文章の誤字脱字の確認は時間が余ればでいいので、無理してその分の時間を取らなくても大丈夫です。                                                  

時間配分の目安は

問題の指示を読む 1~2分
文章を読む 15~20分
構成メモを作る・道筋を立てる 10~15分
記述する 50~60分
誤字・脱字の確認 残った時間で

です。あくまでも参考程度にしてください。私は本番当日、想像以上にペンが進み、65分ほどで書き終えました。

過去の出題テーマ

  • 2023 中央集権と資源の囲い込み
  • 2022 道徳的観点から考える戦争と平和
  • 2021 文学と政治、個人と社会の対立
  • 2020 アジアの近代化と自己認識
  • 2019 国際人権問題

過去5年間に出題されたテーマです。見ただけでかなり硬派な内容であることが伝わると思います。今までは現代社会の諸問題について論じることが多かったですが、今年はその解決策を論じる部分がメインとなっていました。

小論文の対策は必要なのか?

結論から言うとほとんど必要ないです。あくまでも私の個人的な意見ですが、私は高3の6月頃に慶應大学法学部を受験することを決めて、小論文の過去問は2~3年分しか解いていません。小論文の書き方の基礎や慶應の小論文の出題傾向などについてはもちろん勉強しましたが、英語や社会に比べたら対策していないに等しいです。

しかし、一切対策しなくていいかと言われるともちろんそれでは点数は取ることが出来ません。先ほども述べたように、小論文の書き方の基礎は必ず勉強してください。

また、テーマは非常に硬派なものが多く、社会問題、政治問題、国際問題などに関心がないと書くことが出来ません。私は毎朝ニュースを見たり、時事問題もたまにチェックしていました。2022年のテーマが戦争と平和についてなのは、おそらくロシアのウクライナ侵攻が関係していると考えられます。毎年必ず時事問題が出るというわけではありませんが、関連のある問題を出題する可能性は十分にあります。ですから、日ごろから朝のニュースを軽く見ましょう。

ちなみに、私が本番書いたテーマは地方包括ケアシステムについてですが、これは本番の2週間ほど前に、朝のニュース番組で紹介されていて、これは使えそうだ!と思ってメモしていました。そのおかげで本番ではスムーズに書くことが出来ました。

ここからは私の考えではなく、大学受験界隈でよくある話です。

そもそも、なぜ小論文は対策しなくていいと言われるのかというと、大学がほとんど内容を読んでいない可能性があるからです。

慶應法学部は、英語の点数と社会の点数が一定の基準を超えていないとその時点で不合格になります。いわゆる、足切りです。その2科目の精査が終わって、残った人の小論文を読んで採点するわけですが、英語と社会で圧倒的に点数が取れている人の小論文をすべて読むとは考えづらいです。極論、英語と社会でしっかり点数が取れていれば、あとは小論文で字数さえ埋まっていれば受かるというわけです。もちろん、足切りを超えて、その中で真ん中より下の人たちは小論文を大学側に採点されてその内容で差が付きます。英語と社会勝負が決まると言っても過言ではないこの学部で小論文を対策する必要がないというわけです。

また、大学の採点者は様々な論文を読んできた論文のプロフェッショナル(?)です。ですから、高校生の書いた小論文は所詮どれも大学からしたら同じに見えるのです。その証拠に小論文の平均点はここ数年変化していません。だいたい45点から50点をずっと推移しています。小論文で大きな差がつくことはほとんどないでしょう。やはり、英語と社会の点数が重要になってきます。

この写真は私が11月に受験した代々木ゼミナールの慶大プレの結果です。論述力が小論文にあたるものです。私が取った点数が平均点+8点ですが、順位が132/550、全体の上位25%に入っていてかなり良い結果でした。平均点と大差がないのに順位が高いのは、平均点の周辺に多くの人がいるということが分かります。つまり、先ほど述べたように、大きな差はつきにくいのです。

慶大プレの答案です。90分で文章を読んでから1000文字書くのは意外と大変で、この時は時間ギリギリで書き終えました。
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最後に

こうやって見ると、対策することはいくつかあります。なので最初にもほとんど必要ないという言い方にしました。しかし、英語・国語・社会に比べたら圧倒的に勉強量は少なくて済みますし、慶應においては、英語と社会の出来具合が合否に大きく関わってします。英語と社会のどちらかでも苦手なら、まずはその2科目を固て、すきま時間に小論文の対策をしましょう!

ごま塩

ごま塩

慶應義塾大学 法学部

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